短編集

□恋の形
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聞いてもなお実行しようとは思わないのだが、とりあえず分かった分かったと聞き流して安室さんと一足先にポアロを出た。


「そういえば優稀、彼と仲良かったみたいですね」
「そうですかね…、コナン君と平次くんとで結構話した時ありましたから」
「へぇ」
「そういえばコナン君、どこの国にいるんでしょうねぇ」
「……」


突然両親が来て海外に連れていったとか。
蘭ちゃんは悲しんだらしいけどすぐに新一くんとやらが帰ってきたから今は幸せそうだけれど。
黙ってしまった安室さんを見上げると彼はこちらの視線に気づき、ニコリと笑った。


「それで?何を話したんですか?」
「……特別面白いことはなかったですけど……和葉さんとの関係が進んだっていう惚気ですかね」
「なるほど。彼女もそれを話していたようですよ。まぁ、あなたについても話してましたけど」
「ですよねぇ…。平次くん変なところて鈍感なので」


若いっていいなぁ……。
そう心の中で思っていると彼はビックリして私を見た。
声に出ていたらしい。


「優稀も充分若いじゃないですか。もう僕なんて三十路ですよ三十路」

「ふふ、渋くなってよりカッコよくなっちゃいますね!」
「…っ」
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