短編集

□Which is liar?
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出会ってすぐに恋に落ちるとは10メートルの距離でスナイプを外すぐらい理解のできないものだった。
しかし、それは身に起こったもので、現実だ。


いつでもムードメーカー、笑顔の女子高校生。
男女問わず惹き付ける活発な優稀は俺の恋人だ。
いや、出会ったのは沖矢で付き合っているのも沖矢だが。

しかし順調にいっていたと思っていたのは俺だけで実はそうでも無かったらしい。
つい先日優稀が知らない男と街中で歩いているのを見た。
最初は友人だろうと思ったが距離感がおかしい。高校生にしては小ぶりな胸をめいっぱい腕に押し付け笑顔で男を見上げていた。

当初、あの男は誰なのかと問い詰めた。
その時。


「友達だよ?」
「あの距離は感心しませんね」
「……見てたの。…でも昴が考えていることは何も無いよ」
「優稀」
「ホントよ。私は昴に嘘はつかないもの」


そういつものように笑って答えて優稀は俺の目を見つめた。
吸い込まれそうなほど純粋で、何故か汚れているように感じさせる瞳を瞬かせて彼女は口角を上げる。


「好きよ、昴」
「……えぇ、僕もですよ」
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