短編集

□江戸川コナンと
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これだけトリップ夢主
一応、コナン専属の情報屋みたいなもの
***


それはまるで嵐のような人だった。
満面の笑みで俺の足元に綺麗な女性が跪いたかと思うと『あなたの手足になりたい』と言ったのだった。
帰る場所もないからどうか下僕として近場に置いてほしいのだと拝まれ色々ありながら昴さんと一緒に住んでもらっている。
もちろん毛利事務所に連れていけないからだけど。
そんな彼女はいつも小学校に行くのでも後ろから着いてきた。


「おはようございますコナン君。蘭さん」
「おはようございます。優稀さん」
「おはよ!優稀お姉さん」

階段の下、メイドのように佇む彼女は階段を降りる音で気付いたのだろう。
笑うとモデルかと思うように美しい彼女は惜しまずその笑顔を晒した。

「お姉さんだなんて烏滸がましい。私はただのあなたのてあ…」
「あーあーあー!!ほら、行こうね!優稀お姉さん!」

蘭から逃げるように優稀さんの手首を掴んで走り出すと彼女はその触れられた部分を嬉嬉として見ながら着いてきた。

「もう、何度言ったら分かるの、蘭の前では俺と優稀さんの関係はただの友達なの!」
「ですが、コナン君」
「ほら!敬語もなしだよ!」

怒られた子供のようにしゅんとする彼女ははい、と頷いた。

「すみませ…ううん、ごめん」
「いいけど、日頃の行いが出ちゃうからね、練習しなきゃだよ?」
「は、うん」

彼女は恭しく俺の手を取ると頬に擦り付けた。
ぎょ、と周りを見渡すが誰もいないようで安心する。
彼女はたまに俺にこうする。
小さくなった指を一つ一つ慈しむように撫でるとそれを彼女の頬に擦り付けまるで聖母のように微笑むのだった。
…………時々、ドキッとするような目をする。
まるでこんな子供に欲を見出しているような。
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