短編小説U
□君に向けるのは“愛”か、それとも…?
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「てっ、ちゃん…」
「ねぇ、なんで逃げるの?」
「そりゃあ逃げるに決まってんじゃん。そんな刃向けられたらねぇ…」
「そっか。やっぱ怖いかな?じゃあなんでそんな怒ってるの?」
「そんなの…友梨奈が友香を殺したからに決まってるでしょ!!!」
「あぁ、そっか。」
私、もうゆっかーのこと殺しちゃったんだっけ?
いつもは冷静でみんなを引っ張っていってくれる優しいあかねん。それなのに今は無防備に飛び込んでくる。
おかしいな。あかねんって頭良かったはずじゃなかったっけ?そんなんでこられたら、簡単に、死んじゃうよ?
ドサッ
赤くきれいな血を流し倒れたあかねん。少し違和感を感じおなかに手をあてると、あかねんのじゃない血が。
あれ?いつのまに。
最後にあかねんが漏らした言葉は「友香」だった。大好きだったもんね、ゆっかーのこと。そういえばゆっかーも言ってた気がするな。
好きならなおさら、殺してあげて、同じとこに送ってあげなくちゃ。
愛佳と梨加ちゃんも。ゆいぽんとずーみんも。他の、みんなも。
あと、一人。これで全てが終わる。
ね、ねる。
早く、殺してあげるからね。
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