短編小説U

□たまには私が
1ページ/1ページ




「ゆいぽん!あぁ〜大変だぁ…」
「…いや。そこまでじゃないよ。」
「いやいやいや!声もちょっと枯れてるしやばいよ〜」
「ほんと、全然だいじょ」「じゃないでしょ!」
「…」
「もう…彼女なんだから言ってくれればすぐ来たのに…」
「…ややこしいことになった…」
「なんか言った?」
「いや。なにも。」



仕事が終わったとほぼ同時にきた電話。相手はおだななからで内容はゆいぽんがレッスンの途中で倒れたってこと。
原因はゆいぽんが無理してレッスンに参加してたらしくて元々ひいていた風邪をこじらせてしまったことらしい。まったく、この恋人は。いっつも「無理しないで」ってちゃんと言ってあげてるんだけどな〜



ちょっとむすってしちゃったけどまぁ今日は許すとしよう。ゆいぽんすごく辛そうにしてるから、先に看病しなきゃね。


今はゆいぽんの家にいるわけだけど、なんか親御さんはたまたまいないらしいし…




「あ、おかゆ食べる?」
「いらない。」
「むぅー即答するなー」
「あ、いや。その、お母さん作り置きしてあるから、冷蔵庫に…それあっためてきてほしいな〜」
「うん!分かった!行ってくるね〜!」
「…ははっ、行ってらっしゃい…」



私電子レンジ使うの得意なんだよね。



陽気に鼻歌を歌いながら温まったおかゆを取りだしお盆に乗せて持っていく。
ゆいぽん大丈夫かな〜って思いながら扉を開けるとさっきより顔が赤くなってる気がする。



ゆいぽんに食べる?って聞いたらうんって言ったからゆいぽんの隣にちょこんって座る。
おかゆを机に置いて、蓋を取って、適量をれんげですくい息を吹きかけてあげる。



「ふーふー…はい、ゆいぽんあ〜ん」
「んむ…おいしい…」
「よかったね〜」
「うん。」
「おっ…」
「ん?どうかした?」
「あ、ううん!なんでも…」


今、ちょっとびっくりしちゃった。
「うん」って返事したゆいぽんの笑顔が、すっごい可愛くて、ついドキッと。


あげ続けると、どんどん笑顔になってくゆいぽんに、私も心もどんどんバクバクしてきて。
ふと、今ゆいぽんが風邪だということを思い出して。



でも、きす、したいかも…




「ゆいぽん…」
「んむ!?…がはっ、ちょっと、ゆいちゃんなにしてんの…」
「きす。」
「いや、知ってるけどさ…」
「だめだった?」
「っ…風邪引いてるんだからだめに決まってるでしょ…」
「ばかぁ…」
「移ったら嫌でしょ。」
「いいよ?ゆいぽんのだったら。」
「そういう誘うようなこと言わない…」
「えへへ〜」
「だっ、から、だめだってば!」
「…ゆいぽん可愛い。」
「んぅ!ゆい、ちゃっ…」



きすしたら、なんか変な気持ちが出てきちゃって…
抵抗するゆいぽんは、きっといつもだったら簡単に私の手もはけられるんだろうけど、風邪だからかな?すごく力が弱くて、私でも抑えられて…



なんだか、止まれない。




「…今日は私がする。」
「ば、かでしょ…だから風邪移るってば…んっ」
「だって、ゆいぽん可愛いんだもん。」





全然言い訳になってない。ゆいぽんはそう怒ったけどそんな顔で言われても全然怖くないよ?




手を下に忍ばせてもう濡れているそこに指を入れてあげると、怒ってたのにいやらしく声を出すゆいぽん。私から見たら、ゆいぽんの方誘ってるように見える。



ゆいぽんの中を混ぜてあげると顔を歪めていく。でもどこか気持ちよさそうな顔をしてて。





「あぁ!もう、だめだ、って…!」
「ゆいぽん…」
「んぅう!」




そのまま果てた。




「はぁ…はぁ…ゆい、ちゃん」
「ん…気持ちかった?」
「もう寝る。…ほんと恥ずかしい…」
「ごめんごめん。私も一緒に寝ていい?」
「…ここならいいよ。」
「わぁ〜ありがとぉゆいぽ〜ん」
「まったく…」



そうすると少し嫌そうにしながらも布団に隙間を空けてくれるゆいぽんは、やっぱり優しいな〜なんて思いながらぎゅっって抱き着いて一緒に眠りについた。



















一週間後。
ゆいぽんとあんなことしたからとは言い切れないけど、私は相当な風邪を引いてしまった。
喉痛いし、すっごいぼーってする。
まだ朝だけど、もう一回寝よう。


そう思って寝返りを打った瞬間、誰もいないはずなのにがちゃっと音をたてて開いた部屋のドア。




え?






「ゆいちゃん。大丈夫?」
「え、ゆいぽん…?」
「しっかり看病、してあげるからね。」
「え…ちょっと、まっ!?」





看病っていうのはね、多分上に乗っかるのとは違うと思うんだけどな。




私はしっかりと、仕返しされてしまったんだ。



















END.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ