短編小説U

□かっこ悪いけどしょうがない
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「あの、志田さん…」
「ん?」
「なんで、帰らないの…?」
「べりかのせいじゃん。」
「えぇ…」



午後…四時くらい?かな。もうみんなは帰っていい子の子たちはきっと宿題でもしてるんだろうこの時間。
うちと恋人のべりかはまだ教室に残っている。もし、今ここに誰かがきたら誤解されてしまうのはしょうがないだろう。なぜなら教室の黒板の下、べりかがしたにいて、うちが覆い被さってて。つまり、押し倒しているわけだ。

べりかはもうなにがなんだか分からないって顔してるけど、こんなことになってしまった理由は今日のべりかの行動のせいだ。





まずは、今日の朝にさかのぼる。






____________










「べりかーおはよ…」




元気よく挨拶でもしようと思ったのに教室にいたべりかは菅井のやつらと一緒になんか笑ってた。すごい楽しそうにしてるから私の声も聞こえてなかったらしくこっちにも気付かない。
しょうがない。とりあえず今は諦めよう。


まぁ一応うちら恋人だし?よゆーっていうか?


そんな感じで余裕ぶっこいて昼。





「…」
「べりか可愛いね〜」
「そんなことないから…」
「妹みたいだよね〜」
「そうやな〜」





いつもだったらうちと一緒にご飯食べてたのになぜかまたあいつらといるべりか。
可愛いとか言っちゃってさ、なに、狙ってんの?そんなことないかもしれないけどあまりにも楽しそうにしてるから、すっごいイライラする。

それが顔に出てたのか鈴本とかにもバカにされたし。


いや、でもべりかってそういう奴じゃん。
そんなべりかに惹かれてうちも付き合ったわけだし、うん。
だからこれは普通のことだ。べりかに友達がいるなら嬉しいことだしさ。




そう考えてたらだんだんイラつきが収まってきた。
いや、まじうちって大人。






これまでだったら、なにも問題なかったのに。








「べりか〜今日家こない?一緒に遊ぼう!」
「ほんと?いく!」
「ちょっと待て。」
「志田さん?」
「なに。なんか用?」




なんか用って、なにうちのべりか取ろうとしてんの?あのさ、友香は知らないかもしれないけどうちら付き合っててさ、しかも今日デートの約束あったんだけど。
しかもべりかもべりかだよな。なに忘れてるわけ?うちと付き合ってるって分かってる?











_________






「…ねぇ。今日の予定覚えてたの?」
「…?」
「…なるほどな…」




それで、今に至るわけだけど。


やっぱり忘れてたのね。
恋人との、大切な、デートの約束を。





べりかは忘れてたんだ。







あーいらつく。








「んぅ!?」
「お仕置き。恋人ってこと、分からせてあげる。」
「し、ださん!ここ学校っ!」
「べりかが悪いんじゃん。」



顔を近づけて乱暴にキスする。今の私は余裕がないから制服も無造作に脱がせてすぐそこに触ってあげる。そうすると苦しそうな、それでもどこかいやらしい声を出す。その声が私の気持ちもどんどんヒートアップしてって手が動く。


もちろんここが学校なんてことは忘れてて、すぐスカートの中の下着も脱がしてそこに指をあてる。やっぱりまだそこは濡れてなかった。べりかがやめてって涙目で訴えかけてくるのがまたたまんなくて、その訴えを受け入るなんてことはしないで指を入れた。濡れてないからすごいきつい。でも少し無理矢理に動かしてやると痛そうな声を出すべりか。




「いっ、たいぃ…!」
「はぁ、はぁ…きもちくないの?」
「んぅ!」
「感じてんじゃん。」



いいとこに指を何度か曲げてあげたら中からいっぱい溢れてきて、べりかが果ててくれた。






「志田、さん…の、いじっ、わるぅ…」
「えっ!?そ、そんな痛かった?だいじょぶ?」
「なん、で…こんなこと…」
「え…だってべりかデートのこと忘れてっから…」
「明日でしょ…忘れてないもん…」



あぁ…そんなに痛かったのかな。流れている涙を優しくひろってあげる。


…ん?“明日”?




「…あー…」
「ねぇ…なんで、こんなことしたの?」
「えっと、好きすぎて?」
「家まで我慢してよ…」
「だ、だよな〜ははっ…」




どうやら原因は私だけだったらしい。
笑いながら、心の中で謝った。
















次の日。べりかはこんなうちに普通に接してくれて、しかも察してくれたのかいつもより近くにいてくれる。
幸せだな〜。












「ま〜なっかさん。」
「うわっ!?げ、ねるじゃん…」
「なんでそんなに露骨に嫌そうにするの〜?」
「別に。嫌いなだけ。」
「ひっどーいな〜。理佐にしばかれるよ?」
「言うなよ。」
「でね、言いたいことあるんだけどさ。」
「あ?早くしろよ。べりかんとこ行きたいんだけど。」
「その渡辺さんのことだけどさ〜」
「…んだよ。」
「あんまり公共施設でそーゆーことするのは良くないと思うよ?」
「…へ?」
「じゃあね〜渡辺さんのとこ行けば?あ、もう襲っちゃだめだよ?」
「おい!このねる…!!」

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