短編小説(その他)

□ふぅみる
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「ふぅちゃん!」
「わわ、美瑠さん。びっくりするじゃないですかー」
「いいやん別に〜恋人なんやからハグくらい普通やろ?」
「ここ楽屋なんですから…」
「見せつければいいやん」
「私が嫌なんです!」
「えーひっどー」


まぁふぅちゃんがそういう子だっていうのは知ってたけど。
今言った通りうちはふぅちゃんと恋人なわけで。うちはみんなにこの子が彼女だーって見せつけてやりたいんだけど、ふぅちゃんはそれを許してくれない。
でも、なんていうか。一応うちは先輩なわけで、後輩の言うことばっかり聞くっていうのもなんだかなーって感じ。
少し、いじわるしちゃおっかな。


「ふうこ」
「ひゃあ!?」
「いひひ、耳真っ赤やん。」
「ちょっと、みる、さんっ…!」
「大丈夫やって。今誰も見てへんから。」
「み、みみはだめやってば…」
「好きなくせに。」
「みるさん…!」


ふぅちゃんの耳に顔を近づけ「ふうこ」と名前を囁いて軽く噛んでやる。
楽屋の端で、いちゃいちゃするって背徳感あってめっちゃいいやん。新たなことに気付いて嬉しくなる。
やっば、今止まれないかも…
手を服に忍ばせようとした、そのとき。


「みる。」
「ったああー!!??さ、さや姉!?」
「なに楓子いじめてんてねん。はよ撮影の準備せえーや!!」
「彩さあ〜ん…」
「ちょ、さや姉ふぅちゃんとったら許さへんで!」
「とらんわ!」


ちぇーいいとこだったのに。
しょうがない。この続きはホテルででいっか。
それを予告してあげるようにさや姉の目を盗んでふぅちゃんの唇にキスをした。





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