短編小説(その他)

□対称的
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乃木坂に入って、真夏が加入して。
真夏がどんどんみんに慣れてきて真夏のことが分かり始めて私は思った。

あぁ、こいつとは合わないや。

って、思ったはずなのに…



「飛鳥さんって、真夏さんにぞっこんですよね。」
「は!?そんなわけないしー」
「めちゃくちゃ真夏さんのことばっか見てるじゃないですか…」
「うっ…」


とっさに目線をずらしたけど、間に合わなかった。
ていうか、なんでわかったのかな。
未央奈、私のこと見すぎじゃん。

でも、まぁ後輩にからかわれて言い返すことができないってこんなにも屈辱的だとは思わなかった。未央奈はケラケラ笑ってるし…



「…」


なーんで、あんな奴のこと気になっちゃうんだよ…


「真夏軍団最近頑張ってますよね。」
「…そだね…」
「真夏さんってあざといですけど、実際可愛いですもんね。」
「…可愛い…」
「多分、三人の内一人くらいはまじですね。」
「…たしかに…」
「…飛鳥さんって真夏さんにぞっこんですよね。」
「…うん…」
「…」
「…」
「…飛鳥さん。正気を取り戻してください。」
「…え?私なんて言った?」
「真夏さんをべた褒めしてました。」
「うっそ。あぁもうやだ…」
「もうしばらく先輩をからかいたい気持ちは山々なんですけど…」
「なんだよー」
「ふふ、なんだか彼女が妬いてるようなので、失礼しますね。」
「この、リア充め…」


私と真夏は別に付き合ってないし、多分…てか絶対私の片想いだし。
でも、嫉妬は自由じゃん。
相手に恋心はないかもしれないけど、あんな可愛い奴、なんかされたらすぐ本気になっちゃうって。いおりあたりは今でもガチ感あるし…


ピロンッ

テーブルの上にあった携帯が鳴る。
表示された名前はさっきまでここにいた未央奈だ。

嫌な予感しかしない…


「…ぶっ殺す。」


送られてきたのは言葉なんかじゃなくてたった一枚の写真だった。


真夏との、つーしょっと。


後輩のくせしてよくもまぁ先輩をこんなにからかえるよね。
でも、うらやましい。


はぁ…


勇気、だそっか。













「真夏。」
「あ、飛鳥〜」
「あのさ…」
「あ、みんなあっちいってね〜今飛鳥との大切な時間だから。」
「っへ?」
「えー真夏さんともっといたいー」
「まぁまぁ、いこう?」
「ぶーぶー」
「あはは。ごめんね〜」
「…」
「で、なに?」
「なんだよ大切な時間って…」
「え?そのまんまの意味だけど…?」
「…あのさ、」
「うん。」
「えっと、その…」
「なに?」



頑張れ。頑張れ、私…





「一緒に、写真撮らない?」






END

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