妄想*BL*
□期待
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豊Side
ん?研二?走ってどこ行くんだあいつ?
ガチャ
「あれ?鬼龍院ひとり?」
鬼「あ!おせえ!おせーよ!」
「ごめんごめん、目覚ましぶっ壊れてたみたいでさ〜」
鬼「その言い訳何回目…?はぁ…」
「てか、顔赤すぎじゃね?熱でもあんの?」
鬼「ねーわ!暑いだけだし」
「へぇ、うつすなよ?」
鬼「あーはいはい。うつしませんうつしません。てか、風邪じゃないし。あー研二さんは風邪だって勘違いしてるけど僕の心配してわざわざスポーツドリンクとか買いに行ってくれる優しい人だなぁ…どっかの誰かさんと違って。」
「ふーん…悪かったな。優しくなくて。」
鬼「あーあ、こんなんじゃほんとに熱があったときもやさしくないんだろうなぁ…研二さんに看病してもらおっと」
「…」
俺は鬼龍院が好きだ。出会った頃からずっと。でもこの気持ちは言わずにずっと隠してきた。これからもまず多分言わない。いまは、こいつと淳くんと研二とバンドできることが一番だし、言ったらきっとこの関係さえもが壊れてしまうから。
鬼「なんか言ったらどうなの?無視ってひどすぎる」
「つまんねーこといってるからだろ。」
鬼「な、何怒ってるのさ…」
「別に怒ってねーよ。」
鬼「何年一緒にいると思ってんの。機嫌なおして〜つまらないこと言った僕が悪かったです〜」
「っ…もういいから、んで今日なにすんの?」
鬼「あ、今日ツアーの話し合い」
「もうそんな時期か〜」
鬼「演劇さ、今回どうしようかなぁって」
「あー」
鬼「今回も僕と豊でいいよね?」
「え、あ、うん」
鬼「何その反応嫌なの?」
「いや別に…あのさ…」
鬼「ん?なに?」
「なんで俺とばっかなの…?」
鬼「え、だって豊とのがやりやすいんだもん」
「…え、それだけ?」
それだけかぁ…うわぁ…なんかちょっと期待しちゃったわ…
鬼「もう1つあるよ」
あぁ…はずかしい…期待はずれにもほどがある…
鬼「…すきだから」
「え?いまなんて?」
鬼「ファンのみんなが僕と豊の話がすきだから」
「…」
あぁそっちね…
鬼「ちょなんでだまるのさ。」
「そ、そういうことね〜」
鬼「そういうことそういうこと〜まあ、でも豊どの物語のほうがしっくり来るし、考えやすいんだよね〜笑」
「へぇ…」
お前が何気なく言った言葉一つ一つを重く受け取ってしまう。俺とのほうが考えやすいとか…
鬼「ちょっとトイレ〜」バタンッ
なぁ、鬼龍院…
「期待させんなよ…」