中編

□1日目
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1日目

恋愛バラエティやらに巻き込まれて早数時間。戸惑いを隠せないまま自己紹介をしたのが数分前
そして超高校級の総統とやらに絡まれて数分経過した

「ねぇねぇねぇ!超高校級の幸運ってどんな幸運を運んでこれるの?ねぇねぇ!」
『何回も言ってるけど、抽選で選ばれただけで才能なんて私には無いんだよ
なので興味を是非キーボへ戻せ』
「えー、そんな事言わずにさー」

引っ付く王馬を引き離そうと力を入れるけど、いかんせん身長が変わらないといえど男女の力の差は歴然だった
てか、そんな細い体のどこに力があるんですかねぇくそっ離れない!
このままでは他の人と自己紹介以外の話ができずに今日が終わってしまう。それだけは、避けねば!!

『わかった、わかったから!
私には才能がないってのを証明すれば飽きてくれるんだよね?』
「そうだね!
何の才能もない榎ちゃんなんて、つまらないから付きまとったりしないよー
ホントだよ!」

言い方のせいかそれはそれでムカつくけど
とりあえず、私に才能がないとわかれば付きまとわれないのは確定した
後はどうにかして証明すればいいけど、どうするか…

「でも、ただ証明するのもつまんないよね
だからさオレとゲームしよ!」
『ゲーム?』
「そ、今日から1日1回運試しをして1回でも榎ちゃんの才能が発揮されなかったら
つまんない榎ちゃんってことでオレが殺してあげる!」

明るくいう内容じゃねぇぇぇぇええ
てか、1回でもってつまりは10回中…死しか見えない
さすがに嘘だよね…私は勘が鋭いわけじゃないからわかんないよ?嘘とか見破れない普通の女子高生だよ

「じゃあ、とりあえず最初はジャンケンね」
『は?』
「最初はグー、ジャンケン」
『ちょ』
「ポン!」

ついつい、つられてチョキを出すと。王馬はパーを出していた
あっぶねー!!びびった。本当にびびった!

「あちゃー、負けちゃったか…
本当に幸運なんだね!」
『いや、ジャンケンに勝ったぐらいで…』
「そうだよ!ジャンケンに勝ったぐらいで証明されないからな!」
『どっちだよ!!』
「とりあえず、続きは明日だね!」

またね。と手を振る王馬を見送り、疲れがドットきた私はその場にしゃがみ込む

【1日目】
(まだあと9日も王馬に付き合わないといけないなんて、幸運じゃなくて不運なんじゃないかな…)

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