約束

□非日常編
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私は悲鳴も上げれずに顔が青ざめたまま、倒れている蘭太郎くんを見ていると
様子がおかしいと感じたのか、図書室の真ん中辺りに立つみんなが大丈夫かと声をかけてくれた
震えた手で蘭太郎くんを指差すと、みんなは図書室の奥に進み。倒れて血を流す蘭太郎くんを見つけた

「あ、天海…くん?」
「な、なんだよ、これっ!?
どうなってやがんだっ!?」
「あ…ああ…ああああ…
うわきゃああああああああああああああっ!!」

みんなが困惑する中、私はゆっくり蘭太郎くんに近づき腰を下ろす
倒れているだけなんだよね?死んでなんてないよね?それを確かめたいけど、怖くて手が伸ばせない
転子ちゃんの悲鳴を聞いてか、隣の教室にいたみんなも集まり出した
終一くんが私の隣にしゃがみ蘭太郎くんの口元に手を伸ばす。呼吸の有無を確かめたのだろう

「…ダメだ」

小さく首を降る終一くんを見つめる
ダメ?何が、ダメなの?

「ダ、ダメって…え?死んでるの?」
「し、死んでるだと…?」

死んでる?蘭太郎くんが?。自然と涙が瞳から零れる
絶対に守るって言ってくれた。私なんかと友達になってくれたのに…死んだ?

「…黒沢さん」
『終、一くん…』
「一旦ここから離れた方がいいよ…」

その言葉に首を降る。今は離れたくない
私はゆっくり蘭太郎くんの頭に手を伸ばす。後頭部を殴られたのだろう、血が滲んでいる
まだ、暖かいのに…死んでるの?

「これって…コロシアイが始まったって事だよね?」

コロシアイ…誰かが蘭太郎くんを殺したの?何で…
蘭太郎くんの血がついた手を胸の前で強く握る。霞む視界、みんなに聞こえないように嗚咽を出す
そんな中、蘭太郎くんが首謀者何じゃないかという話が出る
…違う、違うよ

「彼はこのコロシアイを企んだ首謀者である可能性が高い
その彼が死んだって事は『それは違います!』

涙を浮かべたまま顔を上げ、ついみんなを睨みつける
蘭太郎くんはみんなを助ける為に行動をした
それは間違いないんだ。だから、首謀者な理由が無いんだよ
そう叫ぼうとした時に
モニターからピンポンパンポーン…!と音が響いた

「死体が発見されました!
オマエラ、死体発見現場の図書室まで急いで集合してください!」

やっぱり、蘭太郎くんは首謀者じゃかったという安心感と誰か蘭太郎くんを殺したという絶望感が入り混じった
終一くんと楓ちゃんが何かを話していたけど、耳には入らなかった
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