約束

□非日常編
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慌ただしく体育館につくと、先に目に付いたのは赤く濁った水が大量に入っている水槽が目に入った
体育館にはもうみんなが集まっていて、その水槽をみんなが注目しているのがわかる。よくみると、何かが泳いでいるみたいだ
それに下の方には白い骨のようなものがあり、衣類らしきものも浮かんでいる

「な、なんだこりゃあ!?どうなってやがんだ!?」
「わ、わかんないですよっ!
転子も…訳わかんないですよっ!」
『…水が赤いけどもしかして…血』
「とりあえず、水槽を割ろうか?
中の様子を確かめないといけないしね」

小吉くんの提案でゴン太くんと転子ちゃんがキーボくんを投げて、水槽を割って飛びっちった硝子を片付け、ピラニアを集めて被害者である竜馬くんの遺骨や衣類を纏めた
遺骨を見るだけで血の気が引きそうになるけど…目を逸らさないようにする
誰かやったかはわからないけど、これは

「これって、事故じゃないよね?
また…コロシアイが始まったって事?」

魔姫ちゃんが頭に過ぎった言葉を言う
やっぱり、そういうことだよね…誰かが竜馬くんを殺したんだよね
自分を落ち着かせるように深呼吸をしていると、モノクマが現れモノクマファイルが配られた

「さてと…それじゃあ捜査を始めようカ」

是清くんの言葉で気持ちを捜査に切り替えようという考え半分、また始まってしまったという悲しさが半分…
できることなら、仲間同士でなんて疑い合いたくないと言うゴン太くんの気持ちはわかる気がする
魔姫ちゃんはゴン太くんになら操作しなければいい、自分もやるつもりは無いと言い残し終一くんの静止も聞かずに体育館から立ち去ってしまった
私は魔姫ちゃんが心配で追いかけようとしたけど小吉くんに腕を掴まれて止められた

「ねぇ、オレの言葉を忘れたわけじゃないよね?」

…それは、魔姫ちゃんは怪しいから近づくなっていう話のことだよね
確かに最近の行動や研究室に籠ってばかりいるのは怪しいけど、私も研究室に籠ることもあるしな
でも、このまま魔姫ちゃんを追うことは小吉くんを信じないって言っているみたいで…どうすればいいのかな

「…ふーん、迷ってるんだね」
『えっと…』
「ま、いいや
行きたいなら行きなよ
もう引き止めないからさ」
『え…』

突き放すような言葉に頭が真っ白になった
つまらなそうに私に背を向けようとする小吉くんを見たら、他のことがどうでもいいような気さえして
なんで、まだ数日しか一緒にいないのに…こんなにも彼に依存して、彼が離れるの怖くて

−彼と−−−−のみんなが私の世界…彼は私の大事な人

なのに、どうして気づくと私から離れて行ってしまうの
それだけは…嫌なのに

「…にしし、やっぱりオレじゃないとダメなんだね迷ちゃんは」
『小吉くん…』

気づけば今度は自分から小吉くんの腕を縋るように掴んでいた
ほとんど、無意識の行動でそれでも離さないように手の力は緩めない
心底愉快そうな小吉くんはそれでいいんだよと頭を撫でてくれた
これで、いい…のかな?わからないよ

「まぁ、春川のヤツは後で説教するとして、オレらはそろそろ初めねーとな
心底ムカつくけどよぉ…
生き残る為にはやるしかねーんだ」
「そうだね!オレも頑張るよ!
だって、オレとゴン太、それに迷ちゃんはここで活躍して、みんなの信頼を取り戻さなくちゃいけないからね!」
「あ、うん…そうだね」
『…うん』

私も一応、小吉くんに加担してるから確かに信頼を取り戻さないといけない
動機ビデオを運ぶのを一応手伝っていたわけだし

「ま、捜査なんてするまでもなく、犯人は決まったようなもんだけど」
「…え?」
『どういうこと?小吉くん』
「だって、星ちゃんは、誰かさんのショーの最中にあんな事になったんでしょ?」
「…んあ?」

その誰かさんってもしかしなくても秘密子ちゃんのことだよね?
詳しくはわからないけど、体育館に来る途中ね間に体育館では秘密子ちゃんがマジックショーをしているハズだと小吉くんは言っていたしね

「だったら、その誰かさんを疑うべきなのは、当然だと思うけど…」
「んあ…!」
「けどなー、逆に怪し過ぎて、怪しくない気もするんだよなー」
「…んあ?」
「と見せかけて、怪しくないからこそ、さらにその逆で、メチャクチャ怪しいよね!」
『小吉くん…』
「さっきから、なんなんですか!
夢野さんの魔法心をもて遊ばないでくださいよっ!」

流石に秘密子ちゃんが可愛そうで小吉くんを止めようとしたら、転子ちゃんが声を張り上げた

「夢野ちゃん…って言っちゃったね?
一応、名前は伏せておいたのに」
「あー、うるさいうるさいっ!
とにかく、夢野さんはそんな事をする人じゃありません!
夢野さんのことは転子が一番よく知ってるんです!
ねぇ、夢野さん!?」
「….いや、それはないじゃろ」
「そこは同意しておいてくださいよっ!」

言い切る転子ちゃんはとてもカッコイイと思った
こんな状況なのに、大事な人のことをまっすぐ信じるなんて難しいのに…
…私も人のことを言えないのかもしれないけど、まだ誰が犯人か検討もつかないのに小吉くんだけは違うだろうって考えちゃってるから
とりあえず、マジックショーのトリックがわかればなにか見えてくるだろうと小吉くんが秘密子ちゃんに質問するが、秘密子ちゃんはトリックはない魔法でやったと答える
みんなで聞いても答える気はないみたいだ。とりあえず、マジックショーのトリックを解き明かさないといけなくなってしまった
…前途多難、だね
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