小話集
□ 雨の日飛鳥
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「た、助かった…」
大雨に濡れた太子を玄関に入れた。
「どうぞタオルです」
「ありがとう、妹子。あーもう服も体もぐっぴょり…」
「太子、いったいどんなところで何してて僕の家に来たんですか?」
「ん?えっと、セミの死ぬ瞬間を見ようとしていたらいきなり大雨が降ってきて走って帰ろうとしてたら妹子の家が見えたから来た」
「いい歳して何やってるんだよあんたは。それに今の時期にセミなんていないですよ」
「え?そうなの?まあ、とにかく妹子。雨がやむまでお前の家にいさせろ!」
「えー…別にいいですけど、お金払ってもらえます?」
「金とるの!?」
「冗談ですよ。本当は取りたいですけど」
「取りたいんかい!?」
「とりあえず、そのべっちゃべっちゃのまま上がられると困るんでここで待っててください。今、着替え持ってきますんで」
「人をカーペットみたいに言うな!?」
(なぜカーペット!?)