secret修正入ります!2
□楽しい日々を過ごす方法
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「本当にいいのかい?新一にーちゃんに断らなくて」
「大丈夫!後で電話しとくからさ!それにあの家には多分死ぬまでに読み終わらないくらいのミステリー小説がいっぱいあるんだよ?読んでみたくない?」
勿論ホームズもねと言うコナンにほーそれはとても魅力的な御誘いだと漏らす沖矢。
その二人をよそにちょっとちょっとと手まねく灰原。
「んだよ」
「あなたねぇ、得体も知らない赤の他人を家に棲まわすなんてどうかしてるんじゃないの?それにもしかしたらあの人、組織の人間かも知れないのよ!殺されるわよ!!」
「だーい丈夫だって!あの人は味方だから。それに・・・」
「・・・何よ」
「あー・・・」
「・・・早く言いなさいよ!」
イライラするのよあなたの勿体ぶった言い方と急かす灰原。
「・・・ホームズ好きに悪い奴はいないって!!」
「・・・あなたって人はいい加減ホームズ基準で物事を判断する性格やめなさい!!さもないと本当に死ぬわよ!!」
「別にいーだろ」
不貞腐れたような顔をするコナンにそういえばと灰原が漏らす。
「あなたの家にはあの子が住んでるじゃない。もしかしてあの人と住まわせる気なの?」
それよりあの子には言ってあるの?怒るわよ何勝手に決めてるんだってと灰原に詰め寄られ、あははと乾いた笑いを漏らすコナン。
少し離れた所から二人の一部始終を見ていた沖矢が声をかける。
「あの子とは誰のことなんですか?」
「名前っていう小学三年生の女の子で新一にーちゃんの親戚の子だよ。両親が幼いころに亡くなってから一緒に住んでいるんだ。今は剣道の稽古に行ってて夕方に帰って来るってさっき沖矢さんのことメールで知らせたらそう返ってきたんだ!(知ってるくせに)」
ほおーと名前に興味を持った素振りの沖矢に灰原がジトッとした視線を送る。
「あら、あなたその年で小学生の女の子に興味を抱くなんて・・・もしかしてロリコンなのかしらね?」
灰原の言葉にぎょっとするコナンが視線を送ればどうでしょうねと返す沖矢。
『同居人が増えるのですね』
剣道の稽古帰り江戸川さんから届いたメールを見れば、今日から住人が一人増えるからよろしくとの内容だった。
そのメールにはこうも書かれていた。
”この前家で母さんが変装させたあの人が住んでたアパートが火事になっちまって俺ん家で住むことになったからよろしく!”
家に着き鍵を開け中に入る。
『只今帰りましたー!』
玄関先で名前が声を張ると奥からお玉片手に沖矢がいそいそと出て来た。
「お帰りなさい。コナン君から聞きましたか?」
『はい。この度は災難でしたねぇ。お怪我はありませんでしたか?』
「ええ。僕はその時外出しておりましたので不幸中の幸いとでも言いましょうか」
『そうでしたか。それは何といえばいいのやら・・・この家は無駄に広いので自由に使っていただいて構いませんよ。まぁ私も居候の身ですが困ったことがおありでしたら何なりと申しつけください。これから宜しくお願い致します』
ぺこりと行儀よくお辞儀する名前にこれはこれはご丁寧にと挨拶を返す沖矢。
頭を下げる二人の元に焦げた臭いが届くのは間もなくのこと。
20170312