secret修正入ります!2

□楽しい日々を過ごす方法
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「えーっ!名前ちゃん一緒に行けないのー?」

『ごめん。大会近いから練習休めないんだ』




明日探偵団のみんなで群馬でキャンプをすることになった。




いつもなら喜んで付いて行くのだが、生憎剣道の稽古がありなくなく諦めることになった。




「仕方ありませんよ」

「じゃーさ、じゃーさ、いーっぱいお写真撮ってメールするね!」

『うん!待ってるね!』




それじゃーねーと歩美、光彦、元太の三人は明日の準備があるためそそくさと家に戻った。








「ではわしも支度するかのー」

「おい博士!テント忘れんじゃねーぞ!」

「分かっとるわい!ついでに買い出しでもしてくるかのー」




お菓子は駄目よと言う灰原の声にぎこちなく博士は出て行った。




「それで?その後どうなの?あの喫茶探偵は」

「あ?安室さんか?これといった動きはねーけど」




何か引っかかるんだよなーと言うコナンに引っかかるってと灰原が聞く。




「あの人、そんな悪そうに見えないんだよなぁ・・・俺が誘拐されたときやクール便に閉じ込められた時も助けてくれたし・・・」

「あなたねぇ!そうやって油断させて一気に仕留めるのが彼らのやり方だって何度も言ってるでしょう?まだ分からないの?」

「わーってるよ」

「分かってないから言ってるのよ!あの人のことだってそうじゃない!」




と言って隣の家、工藤邸を指差す。




「昴さんのことか?あの人は大丈夫だって!」




味方だからと言うコナンに灰原が噛み付く。




「どこにそんな根拠があるのよ!」

「ホームズ好きに悪い奴はいないって!」

「まだそんな馬鹿なこと言ってるの?ホント、呆れるわね」

「ははは、、そ、それより名前安室さんに近づいてねーよな?」




二人の口喧嘩に終始苦笑いで見ていた名前に飛び火が掛った。




『はい、勿論ですよ。クール便の事件の時が初対面ですし、あれ以来会ってませんよ』

「誰かさんに名前の爪の垢飲ませた方がいいんじゃないかしら?」




じとっとした目で言う灰原。




「うっせーよ・・・それよりお前今日はどーすんだ?昴さん明日までいないんだろ?」

「それなら問題ないわ!名前は家に泊めるから!何ならずーっとここに居てくれて構わないのよ」




あんな胡散臭い人と名前を一緒に住まわせたくないものと言う灰原にコナンと名前は苦笑いを浮かべるしかなかった。









「それじゃー名前くん、行ってくるからのー」

『はい、気をつけて!』




何かあったら電話しろよーと言って去るコナンたちを見送り工藤邸に戻った名前は、朝食でも作ろうかと冷蔵庫を開けた。












_
_

「名前ちゃんは何にする?」




ここのお勧めはハムサンドだよと言う蘭に名前はそれにすると注文を決めた。




名前はあの後蘭からの電話で、沖矢も博士たちも居ないなら一緒に朝食でもどうかと誘われていた。




始めは蘭の家でということだったのだが、名前からポアロに行ったことがないという情報を入手した蘭に半ば無理やり連行されたのだ。




「折角の休みだってゆーのによぉ、何で態々ここで朝食食わなきゃなんねーんだ?」

「いーじゃない!どうせやることないんだから」

「ちぇっ」

「すみませーん」




蘭が店員を呼ぶと少し明るい髪の日焼けした男が奥から出てきた。




「いらっしゃいませ、毛利さん、蘭さん」




あれ今日はコナン君は一緒じゃないんですねと言うと群馬へキャンプに行ったんですと蘭が答えた。





「へー群馬にキャンプですか」




と言って安室は名前を見た。




「君とちゃんと話すのは今日が初めてだよね。僕は安室透です、よろしく」




と名前の頭を撫でた。




『・・・名字名前です』




名前は安室の行動に一瞬びくっとしたが何とか名前を発した。




「名前ちゃんは剣道の達人なんですよ!」

「そうなんですか?それは凄いですね!」

「おい、そんなことより早く注文とってくれよ!こちとら腹へってんだ!」





すみませんすぐ作りますから少々お待ち下さいと言って安室はカウンターの奥へと戻った。





料理の出来る間、名前は安室を観察した。



組織の人間だと言われればそう思えるが、ころころと変わる表情がどうも気にかかる。




冷酷だという組織の人間が、こうも表情豊かなものだろうか。




何というか胡散臭い。




灰原が沖矢をそう思うように名前もまた安室をそう認識した。






「お待たせしました」




運ばれてきたハムサンドに名前は少なからず感心した。




「どうぞ、ゆっくり食べるんだよ」

『ありがとうございます』

「ところで名前ちゃんは一緒に行かなかったのかい?」




との安室の問いにハムサンドを頬張っていた名前の代わりに蘭が答えた。




「名前ちゃんは剣道の大会が近いからお稽古があって行けなかったんだよね?」

『(こくん)』

「そっかー、残念だねぇ」

「あ、でも事務所のパソコンにいっぱい写真送るってコナン君言ってましたよ。ね?名前ちゃん」

『はい、私の携帯にも送ってくれるそうです』

「写真ですか・・・」




顔を上げた名前の目に飛び込んできた安室の表情が余りにも恐ろしく、名前は思わず持っていたハムサンドを皿に落した。










その晩歩美からの写真と共に光彦から送られてきた動画を見た名前はコナンと沖矢に報告するのだった。




20170321
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