secret修正入ります!2
□楽しい日々を過ごす方法
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「だったらそう言ってくれないと分からないじゃない!」
そうならそうと前もって言いなさいっていつも言ってるでしょと啖呵を切る灰原にコナンはうろたえた。
「大体あなたって人はいつもいつもうんたらかんたら・・・」
『・・・博士、お茶入れますね』
「す、すまないのう」
名前は駅前で買ってきた限定のレモンパイも一緒に用意した。
数十分に及ぶ灰原の説教から解放されたコナンは、やつれた顔でソファーに座ろうとした。
「江戸川君の分はないわよ」
「はあー!?」
「あなたはそこで立ってなさい!」
「おまっ、ふさけんじゃねーぞ!」
「当然でしょ!それだけのことをしたんだから、これでも甘いくらいよ!!」
これくらいで許してあげるんだから感謝するのねと言う灰原に、はいはい分かりましたよとコナンは返した。
「まぁまぁ哀君はツンデレじゃから」
「あれのどこにデレがあるんだ?」
ソファーに座り足を組みながら紅茶を啜る灰原にコナンは呆れた。
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一週間後、名前は毛利家(居候込)と園子の誘いで伊豆にテニスをする為に訪れていた。
「スペシャルコーチって誰なのよ園子?」
「それはヒ・ミ・ツ!」
「ジュニア大会で優勝したってポアロのマスターから聞いたけど、本当みたいだな」
「まだ腕は落ちてないみたいで良かったです」
小五郎と話す安室を余所にコナンと名前は蘭に詰め寄った。
『蘭ちゃんここは危険です!』
「そうだね、こっちにボールが飛んでくるかもしれないし…」
「そーじゃなくて!ボールもそうだけど」
「危ないっ!」
コナン達が振り向くと、何処からともなくラケットが勢いよく飛んできた。
『このやろう!』
名前は咄嗟に持っていたラケットで飛んできたラケットを地面にぶっ叩いた。
「お、お見事・・・」
その場にいた全員が目を丸くする中、コナンだけが声を発した。
「相変わらずだよな、その瞬発力」
『咄嗟に手が出たのですよ・・・かたじけない』
その後、ラケットの持ち主にひたすら謝られ、一行は本来の目的であるテニス教室を再開するのであった。
「じゃあ次は名前ちゃん、やってみるかい?」
安室に声をかけられた名前は一度コナンの方を向いた。
「安室さん、さっきから打ちっぱなしで疲れてるんじゃない?少し休んだ方が」
「僕は大丈夫だよ。それに最近体が鈍っているからね…動かしたい気分なんだ」
だから気にしなくていいんだよと言う安室にコナンは言葉を詰まらせた。
「(すまねー名前)」
名前と安室がラリーを始めて10分程経った。
どちらもミスすることなく打ち返す様は見ている分には飽きることのない華麗さがある。
だが名前にはどうも安室とのこの空間が蛇に睨まれた蛙のようで居心地が悪かった。
「安室さーん!そろそろ休みませんかー?」
蘭の呼びかけにやっと終わったと名前は一気に気が軽くなった。
「お疲れ様、君はテニスも出来るんだね」
『安室さんほどではありませんよ』
「ははは、日差しが強くなってきたね…」
安室は手で遮る様に太陽を見た。
「日陰でゆっくり休むんだよ」
『はーい』
「あ、そうそう…赤井秀一・・・知ってるかい?」
『はい、知ってますよ』
「えっ!知ってるのかい?」
あっけらかんと答えた名前に安室は拍子抜けした。
『真純ちゃんのお兄さんですよね?一番上の。この間真純ちゃんが教えて下さいました』
と返す名前に安室はそっかと呟くのであった。
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「あなたが私を呼び出すなんて、どういう風の吹きまわしかしら」
「あなたにお聞きしたいことがあるんですよ」
夜の廃倉庫に停められた車の車内で、男が女にこう切り出した。
「あなたでしたよね?赤井秀一を葬ったのは」
「ええそうよ、それが何?」
「彼は本当に死んだんですか?」
「変なこと言わないでくれる?私が彼を撃ったのよ?しかもジン達の目の前で」
「・・・そうでしたね、キール」
「話はそれだけ?だったらもういいかしら?」
そう言ってキールと呼ばれた女がドアに手を掛けた。
「あー、あと一つ」
男の顔が女に向いた。
「もしかしてあなた・・・これじゃないですよね」
と言い、男がステアを2回叩いた。
「バカねぇ、そんなわけないでしょ・・・いい加減にして頂戴バーボン」
私これでも忙しいのよと言い残し女は去って行った。
20170322