secret修正入ります!2

□酒乱猫と少女と取り巻き
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気を失っている諸伏をそのままに、名前はグラタン作りを開始した。




因みにブラウス一枚だと透けてしまうことが分かり、タオルを巻いた上から羽織ることにした。




『ちょっと作りすぎちゃったかな?』

「構わん!私が食ってやる!」



だらだらよだれを垂らす先生を横目にオーブンにグラタンをセットする。




『食べすぎは駄目だよ』



んふふーと動き回る先生とじゃれていると不意にチャイムが鳴った。




『どうしよう?出ていいのかな?』




あたふたしているともう一度チャイムが鳴った。



名前は、はっと思いだし諸伏を起こすことにした。




風呂場の前には未だに気を失っている諸伏が横たわっている。




『ヒロ君!誰か来たみたい…どうしよう!』

「完全に気を失っているな」

『…そんなぁ』




中々出てこないことに痺れを切らしたのか、チャイムの連打が響き渡る。




「しょうがない、お前が出ろ」




先生に急かされながら名前は玄関を開けた。







「遅いじゃな…い、か」

『…ごめんなさい』




男は予想外の人物が出て来てうろたえたのか口を開けたまま目をぱちぱちさせている。




名前はそんな男の視線を一身に浴びた。




「あー、、君は誰だい?」

『えっと、、』



何と言えばいいのか考えていると、奥から先生が歩いてきた。




「ん?お前もあの時見た顔だな」

「お前…ヒロを助けてくれた猫か?」

「先生と呼べ先生と!」

「・・・この化け猫は君のペットかい?」

「ば、ばけねこーっ!」

『ペットっていうか何というか』




命の恩人に向かってなんて奴だと化け猫ペット呼ばわりされ怒る先生が私はこいつの用心棒だ!お前先生と呼べ珍竹林!と目の前の男に噛みつく。




「ち、珍竹林」



と、言われた男の目がカッと見開いた。




『っ!』



般若みたいな顔で先生と言い争う二人をおろおろと見ていた名前の後ろから、先ほどまで延びていた諸伏が声を掛けた。




「よう!随分早かったな」

「…ああ、、仕事を部下に任せたからな。お前のせいで」




先生と遣り合っていた男は深く息を吐きながら先生と睨みあった。




「ははは、悪い悪い」

「それで?この化け猫があの時の猫でいいんだよな?」

「まーな」

「先生だ!せ、ん、せ、い!」

「・・・で、この子は?」

「この子は工藤名前ちゃん中学一年生、先生は名前ちゃんの用心棒なんだ」

「用心棒?」

「そうだ!こいつは軟弱者ですぐ病院送りになるからな私がしょうがなく見てやっているのだ!」




「で、こいつは降谷零。外では安室透」

「改めてよろしく。色々あって外では偽名使ってるけどここでは零って呼んでくれ」

『・・・零、、君』

「っ、、何という破壊力!」

「だろ?くるだろ?」

「///うるさい!」




名前に上目使いで名を呼ばれ、顔を真っ赤にうろたえた降谷を諸伏はここぞとばかりにからかった。




「それより、君は本当に中学生なのか?」



タオルから覗く谷間とその下の豊かな膨らみに視線を感じ名前はシャツで隠した。



「むっつり」

「なっ、、///」

「でもやっぱりそう思うよな!でも安心しろ、名前ちゃんは正確に言うと高校一年生だ」

「何に安心?正確にって何だよ」




長くなりそうな自己紹介の延長と再び始まった先生と降谷の争いに、名前は一人こっそりとグラタンの仕上げに取り掛かった。



20170420
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