secret修正入ります!2
□酒乱猫と少女と取り巻き
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諸伏のマンションから自宅前に戻って来た名前と先生はこれからのことを話していた。
家に着いたはいいが鍵がない。
両親は海外。
昨夜兄に電話をすれば毛利家プラス園子ちゃんとキッド絡みで都外。
夜までには戻るだろうと言っていたがあの兄のことだ、どうせ帰りにホイホイされるに決まっている。
あのまま##NAME3##君の家に居てもよかったのだが、昨夜のことを思い出すと無理だ、恥ずかしさで死ぬ。
「合鍵はないのか?」
『家族で分けたから無いんだ』
自分の鍵は入院生活に入る時母親に預けてしまっていた。
他に知り合いはいないのかと問う先生に名前は、はっとした。
『そうだ!博士だよ!博士がいるじゃん!』
何で今まで思い出せなかったのかと自分でも驚くぐらいすっかり忘れていた。
ごめん博士と名前は心の中で謝った。
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『うそー、いないのー?』
インターホンを鳴らしてみるも出てくる様子はない。
その後二回、三回と押すも物音すら聞こえない。
『あー野宿だー』
やっと自分のベッドで寝れると思っていた矢先のことに名前は項垂れた。
「阿笠博士ならお留守ですよ」
野宿決定のショックに浸っていたため名前は背後からやって来た男に全く気付かなかった。
『ふぇっ!、、あ、、えっと』
「すみません驚かせてしまいましたね」
『いえ、、あの』
「博士の知り合いの方ですか?」
『はい、家族でお世話になってます』
「そうでしたか。ところで何かお困りのようですが僕でよければ聞きますよ」
『えっ、、でも、』
遠慮なさらずと先生を見つめ、自分ににこやかに微笑む彼に名前はおずおずと切り出した。
『実は家の鍵が無くて家に入れなくて、、』
「それは困りましたねぇ。何処かで落とされたんですか?」
『いえ、私小さい頃からずっと入院していて、鍵はその時家族に預けちゃったので、、家族は外国に行っちゃって、、それで』
だから一人暮しなんですと言うと彼は眼鏡をくいっと指で上げて言った。
「それでしたらご家族が戻ってくるまで一緒に住みませんか?大きなお屋敷なので一人では些か広すぎましてねぇ」
『え、、』
「まあ、そういう僕も居候の身でしてお借りしているお屋敷なんですがね」
『なっ!』
あちらですと彼の指さす家は自分の家だった。
20170526