secret修正入ります!2

□酒乱猫と少女と取り巻き
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名前の先生を抱く手に力が入る。




それを知ってか知らずか赤井はこう話を切り出した。




「その猫が喋ることは知っている。だからそう畏まることもなかろう。数年前にその猫が##NAME4##君を助け出した現場に俺も居たからな」




覚えていないか?と赤井が言うと先生は暫く赤井を凝視し、深くため息をついて名前の腕から抜け出した。




「よく見るとお前あの時の長髪の男だな。は〜、・・・私もあの時は迂闊だった。一瞬を争うとはいえ人間どもの前でうかうかと、あー・・・・・・名前!お前のせいだぞ!」

『ふぇ?私何もしてないもん!』




自身の失態を名前のせいだと騒ぐ先生に自分は知らないと言い張る名前。





そんな二人に赤井は密かに微笑を浮かべた。




「君たちは仲が良いんだな」

「よくない!」『とっても』




先生の否定に名前が納得せず、先生を頷かせるまで暫くの間やり取りが行われた。




もちろんその間赤井は優雅にコーヒーを飲みながら得意の"観察"をして。









赤井が得た情報としては主に先生の方だが、第一印象は数年前と変わらず、丸い、だ。




次にこれは数年前に一度目の当たりにしたことだが、彼は不思議な力を持っている。




すなわち、ただの猫ではない。喋るということも含めてだが…。




そして相変わらず饅頭が好物であること。






名前の方はというと、コナンから聞いているので今のところ問題ない。




姿は違っても中身は兄なので名前のことを知り尽くしているコナンはありとあらゆる事を赤井に吹き込んでいた。




先ほどの好物は勿論、病気のこと、学校名、お風呂の時間、好きな入浴剤、寝るときの服装、下着のサイズ、触られると弱いところなどなどetc.etc.…。




そんな情報をコナンがこの家に来るたびに教えられるのだから、赤井は実際のところ初対面のようには思えなかった。






先生との言い合いに勝った名前が満足そうに微笑み先生の頭を撫でた。




『それで、何の話でしたっけ?』




まさか目の前の男に自身のプロフィールをばっちり知られているとも思わない名前は不敵に笑う赤井を不思議そうに見上げた。



20181109
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