secret修正入ります!2
□迷宮なしの名探偵、ジッチャンの名にかけて!
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その日名前は剣持と二人、自身の拠点である不動から離れた米花へと訪れていた。
しかしそれは名前の意思で、ではなく剣持に事件解決の為の手助けとして、である。
『何で歩きなの?タクシー呼ぼうよ』
「経費削減だ」
『ケチ』
「何とでも言え」
『つーかーれーたーっ!』
名前はミニスカートの裾をパタパタと扇いだ。(因みに上はキャミソール一枚である。)
「お、おい!道端でそんなことするんじゃない!」
『だって暑いんだもん』
未だに扇ぎ続ける名前に剣持は制止をかける。
「分かった、分かった。じゃあ、そうだな・・・あそこの喫茶店で休んでいくか」
『えー!きったない店』
「ああいう店の方が老舗の味を守っているんだ」
二人は喫茶店に向かった。
「なんだ休みか」
『潰れたんじゃないの?』
「んな馬鹿な。お、あそこはどうだ!」
『喫茶ポアロ?探偵みたいな名前だな・・・ところでおじさんの奢り?』
「・・・そーだ」
スキップしながら喫茶店へと向かう名前に剣持はやれやれと額の汗を拭った。
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『やってるやってる!』
「おー涼しい」
「いらっしゃいませ、二名様ですね。…ではこちらに」
『(あれ?この人どこかで…)』
店員は席に誘導するとメニューを二人に渡した。
「喫茶店と言えばコーヒーだろう。俺はコーヒーにするぞ」
『じゃー私もー』
「コーヒーお二つですね」
『あ、お兄さんミルク多めで』
「かしこまりました。以上でよろしいですか?」
『何か食べようよー』
「そういえば昼飯まだだったな」
二人はまたメニューを開いた。
「そうだなぁ・・・カツカレーで!お前は?」
『うーん、グラタンとオムライスどっちがいいかな?』
「お困りでしたらハムサンドはいかがですか?」
『えーグラタンかオムライスがいいんだけど』
「ハムサンドは当店のお勧めメニューなんですよ!」
『でもなー』
「…うちのハムサンドは他の店とは違う作りでして、ここでしか味わえないんです!」
『……じゃあハムサンド』
「かしこまりました!」
店員の熱意に押された名前が頷くと、その店員はそそくさとメニューを片づけニコニコと厨房へと戻って行った。
20170713