secret修正入ります!2
□迷宮なしの名探偵、ジッチャンの名にかけて!
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『あーあ、また始まった。萩原さんのうだうだ話』
「あいつお前のこと相当気に入ってるからな」
電話からは萩原の声が未だに漏れている。
『何処で気に入られたんだあ?』
「そりゃお前、偶然だとしてもあいつの命を救ったからだろう」
『救った覚えなんか無いんだけどー』
命を救っただと…。あいつも彼女に救われたのか…。死に害ったな、萩原…。
安室は電話を嫌そうに見る名前に心から感謝した。
『もー切るよ!』
「”え、あっま”」
名前は萩原に構わず電話を切った。
「いいんですか?切っちゃって」
『いーのいーの』
「知らんぞ。またメール攻撃が始まっても」
『……じゃーテレビ電話』
しばらく電話を眺めた名前は今までの萩原の行為を思い出し、電話とメールの間をとってあえてテレビ電話にしたのだ。
「”名前ちゃん!やっと会えた!!でも何でテレビ電話なの?”」
『実際には会いたくないからだ!』
「”何でー?俺はめちゃくちゃ会いたくてたまらないんだけど!!”」
酷いよ名前ちゃんと喚く萩原に安室はカウンター越しに肩を震わせた。
『ねー萩原さん一人なの?松田さんはー?』
「”は?何?名前ちゃん、松田松田って!ちょっと妬けるんですけどー!!”」
『萩原さんは出しゃばり過ぎなんだよ』
「”何それー!”」
「”萩原うるせーよ!”」
『おー、松田さーん!』
「”よう!”」
萩原の後ろからだるそうに松田が顔を出した。
『今何処ー?』
「”警視庁。どっかの馬鹿が仕事しないから書類が溜まりまくってんだ!”」
「”あはは、悪い”」
『だって、おじさん』
「”え゛!”」
名前は電話を剣持の方に向けた。
「よう、随分楽しそうじゃねーか。仕事は終わったんだろうな?萩原」
「”え、あ、”」
「そーかそーか。もっと仕事欲しいのか」
「”いや、あの”」
「明日から忙しくなるなー」
「”すんませんでしたー”」
剣持の言葉に萩原は冷や汗をかき、すぐさま電話を切った。
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「はっ、自業自得だ」
「んなこと言わないで手伝えよー」
「やなこった」
「頼む!」
「知らねーな」
「松田ーっ!」
颯爽と喫煙所へと消えていく松田に萩原は机に項垂れた。
「お前も懲りねーな」
「うるせー」
松田と入れ替わりにやって来た伊達に萩原は益々不貞腐れた。
「(てか名前ちゃん、また胸でかくなった?)」
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「まったく、萩原の奴ときたら」
『これが日常』
「だから尚更困るんだ!」
「萩原さんっていつもああなんですか?」
「彼は松田と同じ爆発物処理班に所属しておってな、松田共々爆弾処理なら優秀なんだが…どうも書類作業は合わないみたいでな」
「ははは…そうなんですか」
昔とちっとも変らない彼らの姿に安室は酷く安心した。
それと同時に彼らが優秀な人材だということを誇らしく思った。
しかし、萩原お前なあ…。
20170719