secret修正入ります!2

□迷宮なしの名探偵、ジッチャンの名にかけて!
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『ねー、デザート頼んでいい?』

「はー、しょうがない」




名前は剣持の了承を得ると安室にメニューを持ってこさせた。





『うーんと…スペシャルサンデー下さーい!』




スペシャルサンデーという名を聞き、剣持は名前からメニューを奪った。





「なっ!1050円もするじゃないか!お前俺の金だと思って」

『いいじゃん別に…手伝ってあげたんだからさー、こんな暑い中』





大きなため息をつく剣持とは反対に、名前はニヤリと口角を上げた。





「そういやーお前、先週の三連休に速水玲香のライブ見に沖縄行ったんだろ?どうだったんだ?」

『あーそれね…見れなかったんだ』

「何だ?寝坊でもしたか?」

『違うよ!機内に鳩を持ちこんだ馬鹿がいてライブに間に合わなかったんだよ』

「はあ?何でまた鳩なんか」

『マジシャンなんだと』





聞いたことない名前だったから売れてないんだよと名前が愚痴っている間に安室はせっせとグラスに盛り付け、出来上がったパフェを運んだ。






「はい、どうぞ」

『わーい!いただきまーす!』





運ばれてきたパフェを前にした名前の機嫌が一瞬で良くなったことに、安室はまだまだ子供だなと内心思った。






「マジシャンイコール鳩ってか」

『鳩出さないマジシャンもいるけどね』





剣持は誰のことを言っているのか見当がついた。





「脱獄した彼のことですか?」

『そー。(もぐもぐ)捕まえてもすぐ逃げるし(もぐもぐ)逃げたと思ったらふらっと現れるから(もぐもぐ)迷惑なんだよねー』

「食べながら喋るなといつも言ってるだろうが!」

『はいはい』

「ははは……ところで名前さんは速水玲香のファンなんですか?」

『ファンじゃない!愛してるの!ラブだラブ!』

「はあ…」





名前は玲香を良く知らないと言う安室に玲香の素晴らしさを余すことなく語った。






『おにーさん、CD貸してあげようか?』

「え、、いや、、僕はいいです」





遠慮する安室に名前はジトッとした視線を送った。





『……おにーさん、人生楽しんでる?』

「まあ、それなりに」

『うっそだー!玲香ちゃんのこと知らないなんて人生損してるよ』

「そうですか?」

『そうだよ!やっぱりおにーさんCD貸してあげるよ、今持ってるから』






名前はごそごそとカバンからCD6枚を取り出した。





『はい、ちゃんと聴いてね!』

「6枚も…」

『絶対だよ!感想聞くからね』

「……はい」





え、感想…こりゃ聴くしかないな、と安室は何故速水玲香の話を振ったのだと数分前の自分をぶん殴りたくなった。






「(よし、ヒロを巻き込もう)」




20170723
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