secret修正入ります!2
□A Happy Life
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俺の名前は工藤新一。あの有名な高校生探偵だ。
「新一!すまんが手伝ってくれ」
この人は阿笠博士。彼もまた有名な発明家だ。
今日は工藤家、いや、世界的にも初の試みであろうとんでもないビッグイベントが行われるのだ。
聞いて驚くなよ。なんとこの博士、たった三年でカプセル型のタイムマシンを作りやがった。
いつか造る造ると言ってたけどまっさか本当に造るとはね。
『博士まだー?名前待ちくたびれたー』
「すまんすまん。もうすぐじゃぞ」
今のは諸伏名前。小学一年生。
名前は訳あって六年前に家に来た。
名前は俺や蘭、園子、あと母さんと博士と一緒に居すぎたせいか性格がちょっと、いや、大分ぶっ飛んで出来上がってしまった。
簡単にまとめると、園子の大雑把でいい加減な性格+蘭の男勝りな所+博士の時代劇好き+母さんの演技力+俺の口調を全て合わせた小学一年生の少女、ということだ。
で、今からその名前の三年前に死んじまった父親を、博士の造ったタイムマシンで助けに行こうっていう、何ともパラレルスペック満載の冒険の準備の最中なわけ。
「もう少しで出発じゃ」
「よし、もう一度お浚いするか」
テーブルに地図の書かれた紙を広げ、助け出す順番を書いたメモを見ながら地図を追う。
まず、○×番地の廃ビルで名前の父さんを助ける。
次に七年前に一旦戻って○×マンションで萩原さんを助ける。
また三年前に戻り今度は米花中央病院で爆弾を探し出し松田さんを助ける。
で、最後に高木刑事と二人で張り込み帰りに車で轢かれる伊達刑事を助けて任務完了。
因みに何で名前の父さんが一番最初かというと、
『名前のパパが先なの!最初なの!』
『ヤダヤダヤダヤダ!パパが一番なのー!新一のバーカめ!』
『いいのか?蘭ちゃんに新一がエロ本見てニヤニヤしてたって言いつけるぞ!』
ってな具合に駄々をこねられ脅されたからだ。
「新一、場所は覚えたのか?」
「ああ、ちゃんと覚えたよ父さん」
「新ちゃん、ちゃんと名前ちゃんのパパとお友達助けて来てね!」
「大丈夫だって」
「絶対よ!絶対の絶対よ!」
「お、おう、、っつーか、何で母さんそんなに必死なんだよ」
「えー名前ちゃんのパパとお友達イケメンだって言うじゃなーい!きゃー楽しみー!」
「おーい、目的はそれか?」
父さんジトっとした目で見てんぞ。母さん気付けー。
「新一、名前君、出発するぞ」
『はあーい』
「ああ、今行く」
タイムマシンに乗り込み忘れ物はないか再度確認する。
「博士、遮断機は?」
「大丈夫じゃ、ほれ」
博士の手には電池位の大きさの電波遮断機。
これは萩原さん救出の為に必要なものだ。
「ホントにそんなちっせーので役に立つのかよ!」
「わしの力作を見縊ってもらっちゃ困る。これは『もー、早く行こうよ博士ー』はいはい」
「それじゃあみんな、しっかりね」
「博士、頼みましたよ」
「任せなさい」
そして俺たちは三年前に旅立った。
20190411