マイソロ2

□そして彼はやってきた
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こうして問題解決の為に彼らは立ち上がった。
だが、ラファールについてまだよく知らなすぎる。
リティが思い出すように手伝うからと言うとすんなり元気を取り戻し、自己紹介をしてくれた。

「ボクはラファール・マルカント。さっきも言ったとーり世界樹から生まれた」

「じゃあオレの兄弟?」

「みたいなもんだな。でもボクはディセンダーじゃない。敢えて言うなら……欠片かな」

「欠片って…どういうことですか?」

カノンノは思わず口を開く。
確かにディセンダーとは違う雰囲気だが、欠片という意味がわからない。

「そのとーりさ。ディセンダーみたいに負を導いたりできねーし、マナの量も少ない。」

「つまりだ、ディセンダーって存在よりも俺さま達に近いってことかぁ?」

「ま、そんな感じ」

話を聞き付けてやって来たゼロスが簡潔にまとめてくれたことによって、ようやく欠片の意味を理解できた。

しかし、それと同時に気になる事もあった。
欠片について聞いたとき、ラファールが少し悲しそうだった。よーく見ていないとわからない程だったけれど。

「とにかく!ボクをアドリビトムのメンバーに入れてくれ。もちろん仕事だってする」

「それについては心配ありません。私が許可します」

いつの間にか現れたジェイドが勝手に決めてしまったが、最近ではチャットよりジェイドの方が主導権を握っているのも確かだっだ。

「暇潰しの研究材料としては調度いいですしね」

「ちょ、ちょっと待てッ!材料ってどーゆーことだ!!」

ラファールが焦りながらジェイドに聞くと、彼は…それは素晴らしい笑顔で答えた。

「おやー?知りたいですか?」

「……ちょ、勘弁」

瞬時に『こいつは危険』と判断したラファールは手や首を振って拒否反応を示す。

「あ、あんまりラファールをイジメるな」

当人、ジェイドはかなり苦手であるが、同じ世界樹の落とし子であるラファールを助けてあげたかった。

「では私の実験にはリティが付き合ってくれるんですか?」

一瞬悩んで苦笑いを浮かべるリティ。

「ラファール…短い間だったケド楽しかったよ」

「スイマセン、勝手に殺さないでクダサイ」

「いやですねー♪冗談ですよ」

「ボ、ボクは材料なんかになんねーからな」

世界樹の落とし子達にとっては、負よりもジェイドの方が恐ろしかった。

「まぁまぁ、リティもラファールも落ち着けって。旦那もいい加減にしないと嫌われるぜ?」

「ボクはもう嫌ってるッ!」

「おやおや…嫌われてしまいましたね」

傷つきましたと付け足して、落ち込んだような顔をするジェイド。それが芝居がかったものだった為か、ラファールはさらに不信感をあらわにする。

「ま、よかったんじゃないか?ラファールはここでリティが思い出すのを待ちながら、新しい記憶を作っていけるんだから」

ユーリがクッキーが乗った皿をリティに差し出す。

「ユーリっていいこと言うね!オレ、ラファールがいてくれれば思い出せるかもしれない」

「ありがとう」と受け取ったクッキーをラファールに回す。

「リティ…お前ホントに可愛いなぁ」

「待て、こらッ!ハグは禁止だ!」

クッキーをもらってハグをしようとしたら、スパーダに妨害をうけたラファール。

「いーじゃん!ボクはハグが好きなんだよ。だいたいお前はリティのなんなんだッ!」

「あ゙?てめェには関係ねェだろーが」

「関係あるな。ボクはリティが大好きだからな」

突然始まったケンカはどう聞いてもリティの取り合いだった。
しかし当の本人は……

「あ、これ美味しい!ユーリ、オレに作り方教えてよ」

「ん?じゃあ今度作る時に一緒に作るか」

「うん!」

ユーリとお菓子の話題で盛り上がっていた。


こうしてアドリビトムには一人の仲間が加わった。

彼の訪れは温かい春風を呼ぶのか…。
それとも波乱を巻き起こす嵐を呼ぶのか…。





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