マイソロ2
□そして彼はやってきた
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「今日も平和だなー」
甲板から広い海を見つめながらカノンノは呟く。船内から聞こえてくる笑い声や叫び声は、彼女の仲間達の声。それはカノンノにとって日常的な時間の一部だ。
ただ、今日は一つだけ違っていた。
いつものように甲板に出た時に、世界樹が光っていた。
それが少し気掛かりではあったが、昼を過ぎても特に異変はなかったので気にすることもないだろうと思っていた。
「到着ーっと」
「え……?」
突然声がしたので驚いて振り向くと、そこには青年というにはまだ幼いイメージの男が立っていた。
「あ、バンエルティア号ってここだよな?」
「は、はい!」
少し不思議に思ったが、バンエルティア号の事を知っているのだから依頼をしに来たのだろう。
「依頼なら船長を通してくださいね。案内します」
「いや、依頼じゃねーんだ」
「え?違うんですか?」
では一体何の為に来たのか?
ユーリ達みたいに追われているとか…そういった類なのだろうか?
「もしかして…遭難したんですか?」
不安になって聞いてみると男はクスリと笑って首を振る。
「人に会いに来た。リティに会わせてくれ」