マイソロ2

□pluie
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ポツリと水の音がした。
次第にその音は激しさを増して、雨が降り始めたことを伝える。

「どうして空は泣くのかな?」

リティが窓から曇り空を見上げながら質問する。

「…何で泣いてるって思うんだよ?」

近くにいるスパーダが誰に宛ててもいない質問に質問を返す。

「ヒトが泣くから空も泣くのかなって」

適当でさっぱりとした解答。
それでも何故か納得してしまう自分にスパーダは不思議な感覚を覚えた。

「じゃあなんでヒトは泣くんだ?」

我ながら答えに困る質問をした―とスパーダは思う。
けれどもこれは好奇心なのだ。
リティが"泣く"ということをどのように捉えているか知りたいだけ。

少しだけ悩んで、彼はこう答えた。

「笑いたいんじゃないかな」

「は?」

「だから、笑いたいから泣くのかなって」

リティの答えはいつも何かズレている気がする。
けれども、そのズレた答えもあながち間違っていないのかもしれない。

「お前ってホントにヘンだよな」

「ヘンってなんだよー」

他愛もない会話…時間はあっという間に過ぎていった。
ふと、気がつくと雨は止んで雲の間から太陽が顔を見せていた。

「…空が泣く理由わかったかも」

リティが雨の止んだ空を見つめてそういった。

「あー…オレも」

リティが見つめる空を目で追えば、七色の橋が姿を現している。

「空が泣くのは…虹が見たいから」



たくさん泣いて
たくさん笑いたい

いつか虹の根元へ君と一緒に―



 

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