無双

□恐怖の鬼ごっこ
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「…ちゅーたつ」

「はっ。何か?」

「暇だ」

「は?」

また訳のわからないことを――と司馬懿は思った。
このパターンは何かしないと怒りだすし、そのうえ喜ばせることをしなければならない。

彼―曹丕が喜ぶことは……はっきり言ってほとんど無い。

「ちゅーたつ。何か芸をしろ」

始まったぁーー!!

この訳わからん衝動的な発言!!人の迷惑をかえりみない行動!!

「芸など私よりも他に素晴らしいものが…」

「ならば呼んでこい」

殺ッ!!

常に芽生える殺意を押し殺し、必死に我慢する。

司馬懿…いつか禿げるな。



さてさて、厄介なことを引き受けてしまった司馬懿さん。

一体どうするのでしょうか?


自室に戻り

司馬懿考える…

仲達考える…

ちゅーたつがんがえる…




ピコンO




ハッといいことを思い付いたのか、頭上に電球が浮かび上がる。

そしてそのままある場所へと向かった。



「張コウ殿はいるか」

急いでいた為、ノックもせずに入り込む。

「なんです?突然部屋に入るとは……襲いにきましたか?」

「貴様は馬鹿か!…ええい!こんなことを話している場合ではないのだ!!」

「ですから、一体どうしたんです?
はっ!もしや…私の美しさにとうとう気付いてネ」

「気色悪いわ!!
…実は貴殿に頼みたいことがあってな」

司馬懿が張コウに頼んだこととは、もちろん曹丕のこと。
曹丕を喜ばせることをしてみないかと言ったのだ。

まっ、単純に言うと責任転嫁ってやつです。
みんなはやめようね。




後で酷い目に会うのは誰か決まってるからさ…。




「…つまり私に曹丕様の前で舞え、と」

「そんなことは言っていない!!本当に話を聞いているのか!?」

「聞いていますよ。曹丕様の為、私が一肌脱ぎましょう!!」


本当に任せてよかったのだろうか…。

司馬懿は少し後悔した。

 
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