ナイルの雫
□総あとがき
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総あとがき
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
古代エジプトが好きでそして腐女子だから古代エジプトが舞台のBL小説を書こう、くらいの軽い気持ちで、古代エジプトに関する知識も半端なまま、見切り発車に近い形で連載を始めたこの小説もようやく一区切りがつきました。
それにしても、何ぶん遅筆なもので、連載開始当初は私、ジェセルより年下だったのに、いつの間にやら彼の年齢を追い越し、年上になっておりました……(笑)
くどいようですが、この小説は古代エジプト新王国時代くらいを舞台にしてはおりますが、登場人物は全て架空の人物であり、実在の人物、出来事とは何の関係もありません。
これといったモデルもいません……と言いたいところなのですが、実はちょっといたりします。
人物のモデルというよりはこのお話を作るにあたってヒントになった、と言ったほうが正しいのですが。
それは王家の谷のKV55号墓です。
KV55号墓は、現在はアマルナ時代のアクエンアテン王の共同統治者であったスメンクカーラー王(ちなみに彼はかの有名なツタンカーメン王の兄だったともいわれています)のものだという説が有力なのですが、発見当初はアクエンアテン王の母親であるティイの墓だといわれていたそうです。
なぜそのようなことになったかというと、KV55号墓のミイラは男性であったにも拘らず、女性仕様で埋葬されていたからなんです。
だから、発見当初は女性のミイラだと思われて、ティイの墓だと判断されたというわけです。
アマルナ時代というのは色々と血なまぐさい時代でもあったので、KV55号墓に著しい人為的な破壊の痕があることと照らし合わせても、死者の復活を妨げるためとかそういう理由から、このような不自然な葬られかたをしたんじゃないかなーとは思うのですが。
でも「実は男なんだけど何かの事情で王と結婚して王妃になって、そして死後も王妃として葬られた」とかそんなことがあれば萌える、超萌える。
それでもって、その王と王妃が愛し合っていたとしたらこれはもう、(BL業界でなら)どこに出しても恥ずかしくないBLではなかろうかと(笑)
あと、上のほうでちらっと名前を出したツタンカーメン王。
言わずもがな、古代エジプト史上最も有名なファラオですよね。
彼をモデルにした部分は特にないのですが、どうもこの王様のイメージが強すぎてエジプトのファラオというと少年王、すなわち年下攻め、とジェセルのキャラ付けをしたというのがね、若干、ないとも言いきれません(笑)
余談ですが、前述のアクエンアテンとスメンクカーラーは同性愛的関係にあったという説が濃厚らしいですが、実際のところどうだったんですかね。
かのハワード・カーターもこの説をプッシュしてたらしいのですが(笑)
何だかとてつもなくぐだぐだな総あとがきで恐縮ですが、本当に、読んでくださって、ありがとうございました!
尚、第6章のあとがきにも何やら書いてありますが、また「ナイルの雫2」の連載も予定しておりますので思いついたときにでもサイトを覗いて頂ければと思います。
平成21年11月 水月