燦國恋歌
□第一章・燦
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あれ、なんかふわふわする……。
ゆっくり開けた俺の目に映ったのは、吊り灯籠。
しかもなんか金とかで装飾された、やたら豪華な。
…なぜ灯籠?
俺、海辺にいたんだよな?
また夢でも見てんのか?
俺はもう一回目を瞑った。
相変わらず背中にはふわふわした感触。
多分この背中のふわふわした感触、これは布団だろう。
しかもこの肌触りは絹。
掛け布団はたぶん羽毛布団だろう。
肌触りも寝心地も最高だ。
気持ちいー……って、そうじゃなくて!
何で俺、寝てんの?
しかもこんな高級寝具、持ってないし、合宿所にもこんないいものはなかった。
大体、ここどこなんだよ?!
目だけを動かして周りを見ると、朱塗りの柱が目に入った。
吊り灯籠といい、調度類といい、何か中華風だ。
しかも、古代中国風。
俺はぎゅーっとほっぺたを抓ってみた。
……痛い。
目、覚めねーよ。