口の悪い人魚姫

□第二章 デクVSかっちゃん
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前回のあらすじ
爆豪、復活

オールマイトが雄英の教師に就任したってことで、最近雄英の周りには多くのマスコミが押し寄せている。
今日も今日とてマスコミさんたちは朝早くから生徒の登校の邪魔をしていた。

「オールマイト…あれ!?君「ヘドロ」の時の!!」
「やめろ」
「…勝己、「ヘドロ」って?」
「聞くな、絶対聞くな」

…屈辱的な事があったんだな、これは…


HR―—―
「さてHRの本題だ…急で悪いが今日は君らに…学級委員長を決めてもらう。」
「学校っぽいの来たーー!!!」

わー皆やりたがってる…

「奏ちゃんは立候補しないの?」
「…人まとめんのは得意じゃないから…」
「静粛にしたまえ!!」
「!」

なにやらカッコイイこと言ってる飯田くん。
だが、私は目の前を見て目を細める。
因みに私の席は飯田くんの後ろでお茶子ちゃんの前。
隣は砂藤くんだ。
私の視界はちゃんと捉えている。
投票などと言ってはいるが、やりたいとしか思えないそびえ立つ飯田くんの腕。

「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん」

飯田くんは真面目を通り越して堅いね。
石だね!!

「だからこそそこで複数票を獲った者こそが真にふさわしい人間という事にならない!?どうでしょうか先生!!!」
「時間内に決めりゃなんでもいいよ」

んで、

「ぼく、4票ーーー!!?」
「なんでデクに…!!誰が…!!」
「まーおめぇに入れるよかわかるけどな!」
あー勝己にバレたら怖いなー殺されちゃうなー
「0票…わかってはいた!!さすがに聖職といったところか…!!」
「他に入れたのね…」
「おまえもやりたがってたのに…何がしたいんだ飯田…」

結果、出久が委員長、八百万ちゃんが副委員長になった。



お昼―—―

「勝己〜飯行こ飯〜」
「弁当じゃねえのか」
「いやー母さんが買い物忘れてて食材が足りなくてねぇ…」

相変わらず食堂は人が多いな…

「あっ勝己、早速見失った!!」

最悪だな…

「あれ?魚住」
「…えっと…」
「俺、上鳴」
「あっ上鳴くん」
「1人?」
「いや、勝己と来たんだけど…見失って…」
「おい!!!奏!!」
「勝己!!!」
「てめー勝手にどっか行ってんじゃねえよ!!」
「勝己がさっさとどっか行っちゃうのが悪いんでしょ!!」
「てめーはガキか!!」
「ガキは勝己でしょ!!」

上鳴君そっちのけでぎゃいぎゃいと言い合う私達。

「…ば、爆豪見つかってよかったな」
「ありがと、上鳴くん」
「誰だコイツ」
「クラスメイトくらい覚えようか、勝己…上鳴くんだよ」
「ほー」

絶対覚える気ないな、コイツ…

「(なんか睨まれてる…)じゃ、じゃあな。魚住」
「あ、うん」


「勝己、お昼なににしたの?」
「辛い奴」
「相変わらず好きだね〜」

ウウーーーーーーー

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください』
「警報…?―—―うわっ!」

迂闊にも無防備に立ち上がった私はパニックになった周りの人波に飲み込まれた。

「奏!?」

とっさに勝己が手を伸ばすも人の波はあっという間に私たちを引き離した。

「死ぬ!!圧死する!!勝己〜〜!!!」

死因が圧死なんて嫌だ!
人の波に流されて勝己が完全に見えなくなった。

死ぬ…!これは確実に死ぬ!
波の中でもがいていると、誰かがわたしの手を掴んだ感触があった。
この厚ばった感触は…
私はその手を握り返すと、手はすぐに私を人波から出してくれた。

「うえっおえっ!」
「色気ねえな」
「やっぱ勝己だったんか…」

小さい頃よく握ってたもんなぁ…手。
昔より、皮厚くなったな。やっぱ個性の影響か。

「マジで死ぬかと思った」

その後なんやかんやあって飯田くんがその場をおさめて騒動は落ち着いた。
あと、出久の推薦で飯田くんが委員長になりました。


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