口の悪い人魚姫

□第二章 デクVSかっちゃん
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前回のあらすじ
カンペ

地下モニタールーム

「さあ、君達も考えて見るんだぞ!」

勝己が暴走しそうで怖いんだか…

「あの…先生…勝己…爆豪はあの…暴走しやすいし…個性がアレなので…ヤバイと思ったらすぐに止めた方がいいです…」
「わかったよ、魚住少女!!」

オールマイトに言われるとすごい安心する。さすが平和の象徴。

「いきなり奇襲!!!」

ヒーローチームが入ってすぐ勝己が奇襲をかけに来た。
やっぱ勝己なら出久を殴りに来たか…

「出久も読んでただろうな…」
「爆豪スッゲェ!!奇襲なんて男らしくねえ!!」
「緑くんよくよけられたな!」
「切島くん、勝己に出久に対しての男らしさなんて期待して損だよ…」
「奇襲も戦略!彼らは今、実戦の最中なんだぜ!」

出久に対して本当にみみっちいな…中学の時になんかあったのか?
小学校は無視決め込んでただけだったはずだけど…

あ、出久が勝己を投げ飛ばした。

あの「勝己」が「出久」に投げ飛ばされた。

出久は多分予測してた。私よりも長く勝己と居たんだし、癖もわかってる。
体力テストの様子だと個性をうまくコントロール出来てないみたいだし…
多分、個性は使わないだろうな…

「ヒーロー側が圧倒的不利ですよね、コレ」
ん、考えてたらいつの間にか進んでた。
「相澤くんにも言われたろ?アレだよ。せーの!!」
「プルス ウルトラー」
「あ。ムッシュ。爆豪が!」

決め言葉邪魔された。
お茶子ちゃんを先に行かせて核を回収…出久は勝己とやり合うのか…

「すげぇな、あいつ!!個性使わずに渡り合ってるぞ、入試一位と!!」
「勝己…焦ってる…」

それに怒ってる…
まあ、出久の個性は私も驚いたけど…

「なんかすっげーイラついてる。コワっ」

勝己は下に見ていた奴に騙されたって思って怒ってる。


昔から勝己は何でも出来ていた。

「やればなんでも出来てしまう」タイプでガキ大将の乱暴者。

良し悪しはともかく、自信に満ちた勝己の背中はかっこよくて大好きだった。
けど、「個性」が発現してからは…それらが悪い方向へ加速していった。
ヒーロー向きの派手な「個性」だったからか、自分が凄いって過信してた。
周りで出久だけが「無個性」だから出久を下に見た。

そして、今。
出久は成長して、勝己の自尊心にヒビが入った。

「爆豪少年、ストップだ。殺す気か!」

殺す気…?まさか限界を…
ドオン!!
凄い爆音がモニタールームまで轟いた。

「授業だぞコレ!!」
「……!!緑谷少年!!」
「先生、止めた方がいいって!爆豪あいつ相当クレイジーだぜ。殺しちまうぜ!?」
「これじゃあ…出久が死んじゃいますよ!!」
「いや…爆豪少年、次それ撃ったら…強制終了で君らの負けとする」

これ以上勝己と出久を戦わせちゃダメだ…
勝己が出久を殺しかねない!

「おい、魚住…?顔色悪いぞ?」

切島君が私の顔を覗き込む。

「だ、大丈夫」
「目眩ましを兼ねた爆破で軌道変更、そして即座にもう一回…考えるタイプには見えねえが、意外と繊細だな」
「慣性を殺しつつ有効打を加えるには左右の爆発力を微調整しなきゃなりませんしね」
「才能マンだ。才能マンヤダヤダ…」

元々勝己の身体能力は高い。
そしてあの個性…神は不公平だ。

「逃げてる!」
「男のすることじゃねえけど仕方ないぜ」
「しかし変だよな…爆豪の方が余裕なくね?」

無個性だった幼なじみがいきなり強力な個性を持った。余裕なくなるよ…

「先生!!ヤバそうだってコレ!先生!」
「双方…中止…!」

出久の…上に打った…?
確か上の階のちょうど真ん中に核があるから…床に大穴空けてお茶子ちゃんが破片飛ばして飯田くんの隙をついて核を回収ってことかな…

「ヒーローチーム…WIIIINNN!!!!」

勝己が初めて負けた。
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