口の悪い人魚姫

□第三章 未知との遭遇
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前回のあらすじ
クソの下水煮込み


「敵ンン!?バガだろ!?るヒーローの巣窟に入り込んで来るなんてアホすぎるぞ!」

まさか…私を狙って…!?最近は落ち着いていたと思ってたのに…

「先生、侵入者用のセンサーは!」
「もちろんありますが…!」

てことは…向こうに移動型の個性持ってる奴がいるのか…

「13号避難開始!学校に電話試せ!センサーの対策も頭にある敵だ。電波系の個性が妨害している可能性もある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」
「っす!」
「奏の血を狙ったんじゃないだろうな」
「可能性は低くないよ…私の所為って事も…」
「すごい…!多対一こそが先生の得意分野だったんだ」
「分析している場合じゃない!早く避難を!!」
「させませんよ」
「!!」

黒いモヤが突然現れた。

「初めまして。我々は敵連合」

こいつが、奴らの出入り口だな…
そして狙いは…オールマイト…私達を分散させる気か?

「その前に俺達にやられることは考えてなかったか!?」
「切島くん、勝己、下がって…!今までの奴らとは違う…!」
「危ない危ない……そう…生徒といえど優秀な金の卵」
「ダメだどきなさい二人とも!」

ズア
私たちはモヤに包まれた。

「勝己…っ!」



「うわっ」
「ぐえっ」

黒いモヤに包まれるとすぐに落下した感覚に襲われ、私は勝己の上に上手く着地していた。

「オイ、大丈夫か!?」
「ごめん、勝己…」

取り敢えず事情を知ってる勝己がいてよかった…

「って、早速敵!?」

分散させて私達を潰す気だったのか…
この人数なら出来るか…?
でも、勝己がいちゃ、歌が…

「…勝己、あれやるから。いつでも戦えるようにして。切島くん、勝己の耳抑えておいて」
「お、おう」
「足が乾くまで動けなくなるからね、私…!後は頼んだ!」

勝己が耳を塞いだのを確認して、コスチュームに備え付けてある水を取り出した。
そしてそれを…迷うことなく自分の頭にぶっかけた。

「お、おい魚住!?」

私は水があれば人魚になれる。
まあ、足が乾くまで動けなくなるっていう制限付きだけど…
それを使えば歌声で敵を止めることが出来る。
人間状態でも出来ることには出来るんだけど、人魚になった方が威力は上がる。
この数なら、捨て身の策で人魚になる方がいい。

『(誘惑…いや、戦意喪失!!)〜〜♪』
「うっ…」
『今の内にお願い!』
「おう!!」




「あらかた片付いたな」
『なんとかなったね』
「奏、足は」
「まだ時間かかる。ゴメン』
「さっきお前らが話してるの聴こえたんだけど、魚住が狙われてるって…」
『ああ…えっとさ、切島くんは八百比丘尼伝説は知ってるかな』
「人魚の肉を食った人間が800年生きたって話か」
『うん。戦闘訓練の時も言ったように私の血は怪我を治せる。血だけならね。でも、肉とかは不老長寿の妙薬になる…だから結構小さい頃から敵に狙われてたんだよね…』

小さい頃は変なおじさんによく話しかけられたし。

『でも、今回はモヤが狙いはオールマイトだって言ってた。ついでに狙われるって可能性もなきにしもあらずだけど…―—―よし、乾いた』
「動けるのか」
「うん。乾けば足戻るし」
「っし!早く皆を助けに行こうぜ!俺らがここにいるってことからして、皆USJ内にいるだろうし!攻撃手段少ねえ奴らが心配だ!俺らが先走った所為で13号先生が後手に回った。先生があのモヤ吸っちまえばこんなことになっていなかったんだ。男として責任取らなきゃ…」
「行きてえなら一人で行け。俺はあのワープゲートぶっ殺す!」
「はあ!!?」
「ちょっと勝己!?」
「この期に及んでそんなガキみてえな…それにアイツに攻撃は…」
「うっせ!敵の出入り口だぞ。いざって時逃げ出さねえように元を締めとくんだよ!モヤの対策もねえわけじゃねえ…!」
「…………!勝己、後ろ!!」

BOOM!!!

「つーか生徒にあてられたのがこんな三下なら大概大丈夫だろ」
「私の歌も簡単に効いちゃったしね…」
「つかそんな冷静な感じだっけ?おめぇ…」
「あれでも雄英に受かる学力あるから…」
「俺はいつでも冷静だ、クソ髪野郎!!」
「ああ、そっちだ」

馬鹿そうに見えて頭良いからな、勝己は昔から。
この敵達…街中にでもいるような雑魚敵だな。
昔に私を誘拐しようとした敵並。

「じゃあ行っちまえ」
「待て待て、ダチを信じる…!男らしいぜ爆豪!ノったよ、おめぇに!」
「私も出来る限りのサポートするよ!怪我したら治すし!」
「奏は他の奴らと合流しろ」
「は!?何で!!」
「一応お前は敵に狙われやすいだろうが!!前線に出るんじゃねえ!!」
「うぅ………」
「(あれでも魚住を守ってんだろうな…多分)」
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