風は。

□リング争奪戦
1ページ/29ページ

黒曜の事件から数週間が経った。

私は予定通りシャマルのおっさんをタコ殴りにした。

そして、私は今、並中の応接室にいる。

「今日は休日。生徒は立ち入り禁止だよ。絢音。」

「いや、私ここの生徒であるような、ないような存在だから別にいいじゃん。てか、補習授業あって何人か登校してるし。」

私だって日曜日なのに学校来たくないけど…

「せっかく草壁君が退院したんだから。イタリア土産持って来たってのに。」

「どんなものだい。」

「食いついた…えっと、イタリアのパスタとトマト。あと住んでた家の近所にあるお菓子屋さんの詰め合わせ。」

「こんなにいいんですか。」

「いいのいいの。お菓子はおまけしてもらったし。草壁君の退院祝いなんだからじゃんじゃん食べて!」

「―――――それにしても、街の方騒がしいですね…」

「祭りなんかあったっけ?」

雲雀ちゃんが咬み殺しに行きそうだな…

この時、私は予想もしていなかったんだ。

この世で一番会いたくない奴に再会することになるなんて。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ