風は。
□リング争奪戦
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黒曜の事件から数週間が経った。
私は予定通りシャマルのおっさんをタコ殴りにした。
そして、私は今、並中の応接室にいる。
「今日は休日。生徒は立ち入り禁止だよ。絢音。」
「いや、私ここの生徒であるような、ないような存在だから別にいいじゃん。てか、補習授業あって何人か登校してるし。」
私だって日曜日なのに学校来たくないけど…
「せっかく草壁君が退院したんだから。イタリア土産持って来たってのに。」
「どんなものだい。」
「食いついた…えっと、イタリアのパスタとトマト。あと住んでた家の近所にあるお菓子屋さんの詰め合わせ。」
「こんなにいいんですか。」
「いいのいいの。お菓子はおまけしてもらったし。草壁君の退院祝いなんだからじゃんじゃん食べて!」
「―――――それにしても、街の方騒がしいですね…」
「祭りなんかあったっけ?」
雲雀ちゃんが咬み殺しに行きそうだな…
この時、私は予想もしていなかったんだ。
この世で一番会いたくない奴に再会することになるなんて。