風は。

□リング争奪戦
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翌日、リボーンから中山病院に呼び出された。

「Ciao.リボーン。今日の用件は何?」

「も、もしかしてお姉さんも守護者――!?」

「え、何の事よ、綱吉。」

突然にわけのわからんことを言われた。

「まあ、絢音も守護者つったらそうだけどな。」

「守護者…まさかボンゴレリング?」

「知ってるんですか!?」

「そりゃ、私もボンゴレファミリーだからね。けど、これが…話は聞いたけど、実物見るのは初めて。綱吉が大空って事は…」

「獄寺が嵐、山本が雨、了平が晴だ。」

「隼人はともかく…武や了平も?」

「ああ、そうだ。それに、雲は雲雀だぞ。」

「!」

(い、今、お姉さんの雰囲気が変わった…?)

「…雲雀ちゃんも巻き込むの…?雲雀ちゃんは強いけど、一般人なんだよ?私みたいに生まれながらのマフィアじゃないのに?」

「仕方のねえことなんだ。それに、雲の守護者
は雲雀にしか務められねえ。」

雲雀ちゃん…巻き込んでゴメンね…

「リボーン、お姉さんも守護者なのか!?」

「ああ。」

「つーことは…雷か霧だよね。でも、私の性格から見てもどっちも当てはまる気がしないんだけど…」

ファミリーの盾になる雷、実態のつかめぬ幻影の霧…どっちも私じゃないよなぁ…

「絢音は風だ。」
「「風?」」

私と綱吉の声が重なる。

「まあ、少し長くなるから座って聞け。―――風の守護者。これは初代の時に一人だけ現れた伝説のようなものだ。
風の守護者ってのは特殊でな、継承するものは初代風の守護者に認められたものではなくては
ならない。」

「それが私だってこと?でも、初代なんかずっと前の人でしょ?認めるも何も…」

「『お前に継承を許す』って簡単なもんじゃねえんだ。
昔、初代風の守護者が設定した条件をクリアしたものじゃなくちゃならねえ。
…その条件ってのが、
一つ、初代風の守護者と同じ魂を持つ者であること。
二つ、血縁者の中に守護者がいること。
三つ、雲と共にあること。だ。
同じ魂ってのは、端的に言うと生まれ変わり。お前は初代風の守護者に瓜二つだからな。」

瓜二つ…生まれ変わりとか存在するんだ…いや、前世で六道全部廻った奴がいるんだし、あるんだろうな、うん。

「私が生まれ変わりなら、血縁者…弟に嵐の隼人がいる。三つ目の雲と共にはまあ、雲雀ちゃんとは仲いいからね。…条件三つクリアしてるわけか。」

「そうなるぞ。ただ…風のリングはどこにもない。」

「ええ!?」

「初代の風がどこかに隠したのか…はたまた元々存在しなかったのか…それはわからねえけどな。」

伝説たる由縁はこれなんだろうな。リングがないから本当にいたのかすら怪しいのか。

「けど、リングがないならお姉さんが狙われることはないですね。」

「狙われる?どういうこと、綱吉。」

「ハーフボンゴレリング。これの片割れは今、ヴァリアーが持っている。」

「!!ヴァリアー…が…」

じゃあ昨日、隼人が会ったのは…

「雲雀ちゃんの家庭教師は?」

「ディーノだ。」

ディーノさんなら安心だ。

「隼人はシャマルのおっさん…武は…親父さん?」

「了平はコロネロだ。」

なるほど…効率的かつ、確実に強くなれるようにしてるわけか。

「お前は狙われることはないと思うが…」

「相手がヴァリアーならちょっと怪しいかな。ま、私も戦いに備えるとするよ。リボーン、相手はあのヴァリアー。もしかしたら十日以内に来るかもしれないよ。」

「ああ。」

「んじゃね。」

取りあえず愛銃の手入れ…それに弾も追加しておくか。
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