銀魂・長編夢

□嵐なんてジャニーズ以外に必要ない
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「んじゃあとりあえず
右から一言ずつ自己紹介しろ」



……



今日はもっとも嬉しい日かも知れない

この私が…ずっと願い続けてきた
真選組に入隊する記念日なのだから!

目の前には局長である近藤勲さん
副長の土方十四郎さん
一番隊隊長の沖田総悟さん
…その他もろもろ、新入隊士との初対面で
今ここにいる…

噂で聞いたものすごく有名なメンツが…
今!目の前に…!

…しかも!!何故か土方さんが
こちらに向かってくるではないか!

ものすごい…ものすごいぞ…!

胸を高鳴らせながら待っていると
その距離、わずか10cm!!



…って、え? 近すぎない?


「…オイ!てめェ寝ぼけてんのか?
さっさと何か言いやがれ」

いつの間にか順番が回ってきていたらしく
土方さんに怒鳴られてしまった…!

『はっ、はいっ!!』

ゴツンッ!

「『っ〜!!』」

「「「狽ネっ…!」」」

鈍い音がしたのは

私が慌ててお辞儀をしたせいで
私が土方さんに頭突きをしてしまったから


皆はそれを見て冷や汗をかく
それはそうだ、鬼の副長にこんな事をして…
殺されると思うのは至極真っ当な考えだ

「おー…初対面で頭突きとは
オメェ、なかなかやりますねィ

その調子でもう何発か食らわせて
再起不能にしてやってくだせェ」


…が、例外もいたみたい
沖田さんは呑気にそんな事を言っている

「…てめェ、コノヤロウ!」

「ガーハッハッハ!
元気があっていいじゃないか!」

「なっ、近藤さん!」

近藤さんは笑っていて
土方さんは赤く腫れたおでこをさすっている

そんな彼らを見ながら
私も痛むおでこをさすっていると
沖田さんがのそのそと近づいてくる

「コレは…」

沖田さんが私の顎を掴んで
少し顔を上げさせると顔を近づけてきた

くりくりした目の沖田さんと数秒見つめあう

な、なんなんだこの美少年は…






「…とんでもねェたんこぶになってまさァ」

ピシッ

『ぎゃあああ!!』

前言撤回…なんだこの悪魔は!!

人のたんこぶにいきなり
デコピンしてきましたけどぉぉおお!?

「おい、総悟!」

「いいじゃねェですか、土方さんの仇討ち
ってことにしといてあげますぜ」

「なんでてめェはいつも上からなんだよ!
しかも今のは確実に俺の仇討ちじゃなくて
てめェのドS精神が働いただけだろうが!」


あああ…
痛さなんかよりも目の前で繰り広げられている
この言い合いの方がつらい…

『す、すみませんでした…
……俺が悪かっただけですから…』

「あーあー…
せっかく土方さんの為にと思ってやったのに
そんなこと言われちゃお終いでさァ

…つーわけで
俺のガラスのハートを割った修理代として
土方さんの命もらいやすぜィ」



ドカァーン!!


「「「狽ヲえええええ!!!」」」

「総悟…てめぇ…ぶった斬る!!」

「わぁー鬼の副長が怒ったぞぉー逃げろーィ」

刀を振り回す土方さんに逃げ回る沖田さん

「今日も元気がいいなぁ!」

土方さんだけでなく
同じ方向にいた近藤さんにも
バズーカがクリーンヒット

新入隊士の皆は唖然としていたが
他の人は何とも無いような顔で見ていた

やられた近藤さん本人も真っ黒になったものの
至って平然としている

「…まぁ安心してくだせェ
次はきちんと殺してやりまさァ」

そう言って再びバズーカを構える沖田さん

「てんめぇ…
このや……″ドカァーン!!″…………」

『あ…あああ……』

土方さんに喋る隙さえ与えず
またもやバズーカを……

鬼の副長ともあろう御方が…

真っ黒焦げのパーマ頭に……



「「「「『…ぶふぅ!!』」」」」



皆我慢出来ずに吹き出した

「土方さん
あんた初日から新入隊士の笑いものでさァ
…ザマァみてくだせェ」


「テメェら……切腹…」


「「「「『えっ……』」」」」


顔がひきつる隊士達


「…じゃあ物足りねェ!!
俺が直々に殺してやるよォォオオオ!!」



「「「「『…ぎゃぁぁあああ!!!』」」」」



「今日も屯所は平和でさァ…」


「ハッハッハ!
これからは賑やかになりそうだな!」






呑気な声が聞こえたが
私達からしてみれば
ただの地獄絵図だったのは言うまでもない






ここでの生活の始まりは
こんなかんじだった








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