銀魂・長編夢

□三話目
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「うーん…悩みますねィ…」

『うーん…たしかに…』









『………じゃないでしょぉおお!?』


…沖田さんに連れられて
市中見廻りに出たはいいものの…
謎の駄菓子屋巡りが始まってしまった

『沖田さん!市中見廻りしましょうよ
俺は真面目にやりたいんです』

グイグイ服を引っ張るものの
お菓子に夢中な沖田さんは全くもって動かない

「早乙女ならどれにしますかィ?」

『えっ…あー…っと………これ?』


メ〇トスを指差しながら言う


「なーるほど…土方さんにコーラ飲ませて
口の中にぶち込もうって作戦か…
…なかなかイイと思いまさァ」

『狽ヲええ!違いますからね!?
誰がそんな恐ろしい
テロみたいなことするもんですか!』

悪い顔で笑っている沖田さんを見て
本当にこの人はドSだなと思う

『…とにかく!
駄菓子屋巡りは非番の日にしてください!
俺一人で市中見廻り行きますよ!?』

そう言って背を向けて歩き出すと
沖田さんは私の腕を掴んだ

『………なんですか』

「…」

少し寂しそうな顔をしてこちらを見た後
掴んでいた手を離した




「…行きたいなら勝手に行きなせェ」

そう言ってそっぽを向かれた



『……わかりましたよ!!
ちょっとだけですからね!』

そんな捨てられた仔犬みたいな顔されたら
置いていくにも置いていけないし…


「フッ、ちょろいねィ」

ニタァと笑う沖田さん

…嵌められたぁぁぁあああ!!!

「よーし、この辺の駄菓子屋制覇しますぜィ」

『狽ソょっとって言ったじゃないですかー!』









…そんなこんなで
今日の市中見廻り…?が始まった













−−−−−−−−−−−−−−−









「うーん…ハバネロソースか
…これはなかなか…」

ボソボソ何かを言いながら
お店の中をウロウロする沖田さん

外のベンチに腰掛けてぼんやりする私




『真選組って
もっと強さを鍛える所だと思ってたのにな…』

これじゃあ何のために入ったのやら…

『…はぁ』

溜息をつくと
同時に私のベンチの横に誰かが腰掛けてきた

「なんだァー兄ちゃん
駄菓子屋の前でそんな顔して…
ガ〇ガリ君でも外れたかァ?」

『あ…いえ…
別にそんなんじゃないんですけどね…はぁ…』

初対面の人に心配されるって
なかなかやばいのかな…

チラッとその人の顔を見てみると
何だかやる気の無さそーな
死んだ魚の目をした銀髪の天パだった

「ったく…神楽のやつ
酢昆布くれェ自分で買いに行けっての

…いや、まぁジャン負けで
俺になったんだったんだけどさァ」

ブツブツ何か文句を言いながら
財布の中から小銭を出している


するとお店からようやく沖田さんが出てきた

「すまねェ、ようやくイイもん見つけまし…」



「「あ」」




『…?』

沖田さんがこちらに向かってきたと思ったら
私の隣の天パと目を合わせて驚いていた

『沖田さんのお知り合いの方ですか?』

「あー………


……いや、違いまさァ
俺はこんな陰毛天パ野郎知りませんぜ」

グイッ

『あっ…』

腕を引っ張られて立たされたかと思えば
沖田さんは私を隠すようにして
自分の後ろに私を移動させた

「え、その顔で下品な下ネタとか言っちゃう?
てか酷くない?総一朗くん
俺たち友達だろう?ねぇねぇ!」

「総悟でさァ、旦那
いい加減きちんと呼んでくだせェ

…ほら、早乙女もう行きますぜ」

『え、あ、はい…?』

なんだか様子がおかしい沖田さんは
私の背を押して
とにかく前へ進むように言う

私を隠そうとするのに
何か理由でもあるのかな…?

「へぇー早乙女って言うのか
…新入隊士か?」

「旦那には関係ないでさァ」

ツンとした態度で歩く沖田さんと私の横を
何故か天パがついてくる

「…ストーカーですかィ?気色悪ィ…
さっさと帰って
あのチャイナのお守りでもしてるのが
一番お似合いでさァ」

「おいおい、どこぞのゴリラと一緒にすんな
紳士な男はストーカーなんてしません!」

「紳士?
一体誰のこと言ってるのかわかりませんねィ」

「目の前だよ目の前
銀髪天パは紳士の証なんだぞ!
これ絶対テスト出っから、覚えとくよーに」

「悪いがそんな非常識
俺は持ち合わせて無くてね
…どうぞお引き取り願いまさァ」

『…;』

二人のやり取りを見ていて
私はどうすればいいのか分からない

「てか本当になんで逃げんだよ
そいつ隠すのに何か理由でもあんのか?」

すると銀髪の人が
私の思っていたことを尋ねてくれた







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