銀魂・長編夢

□四話目
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「…おい…なんだコレは!」

「私だって好きで
こんなのを産んだんじゃないわ!!」



…初めての外の空気に触れて
私は必死に息をしていた


「どうしてだ!
何故こんな姿で産まれてきた!!」

「私に怒ったってどうしようもないじゃない!
気味が悪いなら
捨てればいいだけの話でしょ!?」



…外の世界はどうしてこうも眩しいのだろう?


「じゃあ産んだお前が捨ててこい!」

「何よそれ!あなたの子でもあるでしょ!?
私に全て押しつけないで!」



…どうしてココはこんなにも煩いのだろう?

「ちっ…うるせぇー女だ
俺が捨てればいいんだろ、俺が!」

「バレたらまずいから
人に見つからない場所よ!!」



…初めて視界に入ってきたのは

私を蔑んだ目で見ていた男と女だった



「あ、そーだ…


捨てちまうより…



………………殺せばいいんじゃないか?」


「どっちだっていいわ
私にはこんな化け物
もう関係ない存在になるんだもの」



ガシッと首元を掴まれたかと思ったら
お腹に酷い激痛が走り
次に背中が痛いと感じた時には
殴られた衝撃で
壁まで飛ばされていたことがわかった



「どうしてこんな姿で産まれたんだか…
……まぁいい…俺がこの手で殺してやる」



痛い…痛いよ…


「殺るならはやく殺りなさいよ」


…ねぇ、
あなたが私を産んでくれたんでしょう?

痛いよ…ねぇ助けて…



「わかったわかった…次で殺るよ」


メキメキと音を立てて男の手は獣のように変化した


「じゃあな」


そう男が笑って言った時


私は必死に息をして






産声をあげた



「っ…!?
おい…!コイツ…身体が…」


「う…そ……普通の身体に…」




生きたい…生きたい…



ただそう願って声を上げた










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『っ…う…』


最悪な目覚めだった

思い出したくもない過去が
グルグル、グルグルと頭の中を駆け巡っていき
色々なことを思い出した



『げほっげほっ…』


布団から出たくない

もう何もかも忘れられたなら
どれほど楽になるだろう?

思い返せばあの時…
産まれてきたことが事態が間違いだった

…俺が幸せだったことなんて…今まで…







″─────────れい″



『…』


一人の男の人が
俺の名を呼んでいるような気がした



『……先生…』






…バッと起き上がって背伸びをした




『…先生の意志は生き残った俺が引き継ぐ

…だからもう少し待ってて』




自分に言い聞かせるように
先生に言ったように
呟いた







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