名探偵コナン・短編夢

□真夏の恋人
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『うーーーみーーーだーーー!!』



"うわぁーーーい!!!"
と叫びながら行ってしまった
僕の彼女


「れいー!
準備運動しないと
まだ入っちゃダメだって言っただろー!」


水着に着替えたかと思えば
既にもうこんな感じだ

子供じゃないんだし
もう少し聞き分けがよくなってくれても
いいと思うんだが…

そんな僕はお構い無し

とでも言うように
また何か大声で叫んでる


『うっうわーーーーー!
透!早く来て来て!』

「はいはい、次は何だい?」


呆れながらも
小走りで駆け寄ると
彼女はカニを見つめていた


『ちっちゃいね、
これくらいなら私でも掴めるかも!』


そう言ってカニに手を伸ばす


「あっ、もしハサミで挟まれでもしたら…」


…言い終わる前に
それは現実となった


『っ……いっ…たーい!!
やだー!離してー!』

れいの人差し指は
見事にカニによって挟まれてしまった


「コラコラ、暴れない暴れない
今取ってあげるから大人しくしてね」

涙目になりながらも
今度はちゃんと僕の言うことを聞いてくれて
手を差し出してきた


「よっ……と、はい取れた」

カニは逃がしてれいの頭を撫でる

『へへ…透、ありがと』

照れたように笑うその可愛い顔

僕はこの笑顔に惚れてしまったんだろうな…
と、考える


『あ、血出てる…』

彼女が自分の指を舐めようと
口元へ指を持って行った瞬間
僕はその手を掴む


「僕が止めてあげる」


チュッ…ペロッ……

れいの人差し指を舐めると
彼女はビックリしたのか目を見開いていた

「あー…む」

パクっと口の中に指先を入れると
彼女は顔を真っ赤にさせた

『ちょ…っと……透…!』


ペチャペチャと
わざと音を立てるようにして舐めて
見つめると腕を引っ込まれた


『は…恥ずかしいんだけど…』

口元を手の甲で隠して目をそらしている

その行動にたまらなく愛しさを感じ
抱きしめて額にキスを落とした


「じゃあこれからはちゃんと
自分の身の回りには気をつけること!
わかったかい?」

『う……は、はい…』

「よし、じゃあまずは準備運動から……」



スルッ…

「あ!!」

…彼女は本当に言うことを聞かない


『Let's enjoyー!!』


僕の腕の中から抜け出して
すぐさま逃亡してしまった


「ったく……」


僕はまた彼女を追いかけた











−−−−−−−−−−−−−−−−







『はっはっはーーー!
追いつけるものなら追いついてみたまえ!』


バシャバシャバシャ…


私は泳いで彼から逃げる




…が、


「はい、追いついた」


簡単に前に立ちはだかる透



『えっ、嘘!
泳がずに追いつくなんて…』

「ココはまだ浅瀬だからね
れいだって足のつく場所だよ?」

"ほら立って?"

そう言われて泳ぐのをやめて足をついてみると
泳がずとも余裕で立っていられるほど浅かった


「ほら、わかったら準備運動始めるよ

…それにれいは泳げな…
『いーや!!私!泳げるもん!!』……」


彼が言いかけたところで断言する私


「…去年は泳げなかったよね?
いつ泳げるようになったんだい?」

疑問に思っているその顔は
馬鹿にされていると受け取っていいのかな?


『ネットで沢山調べたし!
お風呂でバタ足の練習だってしたから!
去年の私と思ったら大間違いよ!』


仁王立ちして威張っていると
ため息をつかれた


「じゃあ後で練習の成果を見せてもらおうかな
…だからまずは…!」


グイッ
と腰を引き寄せられ密着する


「準備運動からね?」



彼のこの…なんとも言い難い
たまに見せてくるドSオーラの纏った笑顔


『はいっ…』


NOと言う選択肢はなかった











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