名探偵コナン・短編夢

□目が覚めてから
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″今から行く″


″今日も寄って行きますね″







『…はぁ……』





目が覚めてから






届いたメールを見るなり
大きなため息をついた






−−−−−−−−−−−−−−−





『…修羅場になるのは嫌だなぁ…

………

………!!そうだ!逃げてしまおう!』



二人が来る前に!!


メールはついさっききたばかりだし
今から出ればまだ間に合う!


『よし!出かけよう!!』



そう思って私は軽く着替えて

荷物を持ち、玄関のドアを開けた












…しかし



「…今日も行くって連絡入れたのに…
…僕を置いてお出かけですか…れい?」

『おーうふ……』


私は出かけることが出来なくなってしまった







…つまり、
私の今日の不運はここから始まったのだった












−−−−−−−−−−−−−−






『…はい、どうぞ』


2つのグラスにいちごみるくを入れて
そのうちの1つを渡す


「ふふ、相変わらず…」


『悪かったわね!甘党で!』


「…まだ、何も言ってませんよ?」


クスクスと笑いながら彼は出された
いちごみるくを飲んだ




彼の名前は安室透

出会ったのはポアロという名の喫茶店

彼の猛アタックにより
仲良くなった私達だが…

…こうも毎日来られては……ねぇ?



しかも来てすること…
いや、″言うこと″と言えば…決まって…




「…で、そろそろ本気で
僕と付き合ってくれる気に
なってくれましたか?」





…いつもこれ!!!

いい加減聞き飽きたっての!!!


『…私!今!誰とも!付き合う気!
ないって!散々!言ってるよね!?』

両手を腰に当てて
怒ってますアピールをする


「そろそろ気が変わるかなーと…」

『一日やそこらで変わらないって!…ったく』


「…それは残念…


………あ、そうだ
今日はお土産があるんでした
…はい、これ」


そう言って透は私に白い箱を渡してきた


『…私、食べ物じゃつられないからね!』


「貰い物なんですけどね、ドーナツ
……一緒に食べないかなーと思って」


……


『………お皿持ってきまーす』



ぼそっと呟いて私はキッチンへと向かった



なんとか堪えているような笑い声
…聞こえないふりをした











『はい、お皿…
……って、あれ?私のグラス動かした?』


少し移動していたグラスに疑問を持つ


「いえ?元からそこにあったと思いますけど?」


『……?…気のせい…か』



大して気にもとめず
ドーナツを分けて
2人で雑談しながら食べた










−−−−−−−−−−−−−−−






『おいしかったー!ごちそうさま!』


「…食べ物じゃつられないって言ってたのにね」

『それはそれ!これはこれ!』


「はいはい、じゃあ僕はそろそろ帰ろうかな」


そう言って立ち上がり
透は玄関へと向かったので
私も透とともに玄関に向かった


…しかし


『あ…れ……』

ドサッ

急に力が抜けて倒れてしまった私

足が言うことを聞かない

「…れい?どうかしましたか?」

何故か笑いながら彼は私の顔を覗き込んできた

『ど、どうしよう…力が入んない…』

「ホー…それは困りましたねぇ
…助けて欲しいですか?」

『…逆に聞くけど
この状態で助けなんていらない
って言えないでしょ?
……助けてよ』

見つめながらそう言うと彼は私を抱き上げた

「寝室まで運びますね」

『ソファーでいいよ』

「……」

私の言葉に聞く耳なんて持たず
寝室へと私を運ぶ




「よっ…と」

私を優しくベッドの上へ下ろすと
彼は私の上へと覆いかぶさってきた


『ちょっと!何のつもり!?』

力が入らない手をなんとか動かして
彼を押し返すが
彼は私の手首を掴んで離さない


「れい…そろそろ僕も限界なんですよ…
…あなたの事が好きで好きでたまらないのに
これ程お預けをくらっては…
…もう我慢ができない」


スーッと首筋を撫でられる


『っ……』


「…それに…
…ヤツにもしもれいを
とられてしまうと思うと僕は…
どうしようもなく憤りを感じてしまう…

だから…わざわざ薬を使ってでもなんとかして
キミを僕の手中に収めようと…」

『え!?く、薬!?』

「えぇ、いちごみるくに少々…」


…やはりグラスの位置が変わっていたのは
そういう事だったのか…


ため息をつくと
彼は私の頬を撫でた









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