銀魂・長編夢
□四話目
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「さっき入った情報だ
港の倉庫付近で
桂らしき人物を見かけたとのこと」
「いいかァーお前ら
気を引き締めて
今日こそはとっ捕まえてやるぞー!」
土方さんと近藤さんが隊士に告げる
「ったく…今日は非番だったってェのに…
捕まえられなかったら
切腹してくだせェ、土方さん」
「なんで俺!?」
「俺の貴重な時間を潰すってこたァ
そういうことでさァ」
「いや、どういうこと!?」
土方さんと沖田さんの言い合いだけでなく
新入隊士達もざわついていた
「おいおい、桂って…あの桂小太郎だよな」
「噂じゃ平気で爆弾とか使ってくるらしいぜ」
「おまけにとんでもなく強いって聞いたぞ」
「マジかよ…」
…そんな中
私はただボーっとしていた
攘夷浪士だろうが何だろうが正直どうでもいい
ただ、その攘夷浪士が強いならば
できればこの手で倒して
実力試しでもできればいい
…その程度にしか思っていなかった
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「一番隊はここで待機
…どこから出てくるかわからねェから
せいぜい気をつけといてくだせェ」
港に着いてから
沖田さんが隊士達にそう言うと
ピリッとした空気が流れた
…30分後
「「「………」」」
…1時間後
「「「………」」」
…2時間後
「……zzz」
「「「秤ォ田隊長!?!?!?」」」
「ん…なんでィ
…桂の野郎でも捕まえましたかィ?」
気だるそうな声で欠伸をしながら尋ねる
「そうじゃなくて!!
何アイマスクつけて呑気に寝てるんですか!」
『…;』
相変わらずこの人は…;
「桂がはやく現れないから悪いんであって
暇すぎて俺が寝ちまうのは
生理現象なわけだから…」
「言い訳しないでください!」
部下にツッコまれる上司って
なかなか凄い光景だな…と思いながら見ていた
「でもまぁたしかに…
2時間も現れないんじゃあもうココには…」
──────────ドォォォン
『…!』
少し離れたところで爆音がした
音の方向へ振り返って見ると
煙がもくもくと立ち上がっている
「ようやくお出ましですかィ
…んじゃ行きやすぜ」
沖田さんが先陣を切り
それに続いて隊士達も
桂のいるであろう場所へと走った
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「待てコラァ桂ァ!!」
ドォンドォン
「ふはははは!
当てれるものなら当ててみるがいい!!」
『…あれが桂…』
倉庫の上を走っている長髪男を見る
今の状況では逃げているだけで
強いかどうかなんて全くわからない
「俺の貴重な休みを返せカァーツラァー」
ドォン
「狽ハお!!」
ドガシャァアン
沖田さんのバズーカで
桂には当たらなかったものの
倉庫の屋根が爆破で壊れ
桂もろとも倉庫の中へと落ちていった
「ナイスだ総悟!
よし、皆この倉庫を囲めェ!」
今度は土方さんの合図で
その場にいた隊士が倉庫を囲んだ
「よし、じゃあ一番隊はそのまま外で待機
他のヤツらは中に入って
ヤツを捕まえるぞ!」
近藤さんの指示により
私達一番隊は待機となったが
沖田さんは不服そうな顔をしていた
「俺も中がよかったでさァ」
『…まぁまぁ…』
沖田さんを宥めつつも
本当は自分も中に入ってやり合いたかったな
…なんて思っていた
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倉庫の中を探し始めてはや数十分後
中が何やら煩くなってきた
「ようやく動き始めたか」
ガシャン
そう言うと沖田さんは肩にバズーカを構えた
────────────ドカァンッ
倉庫内で物凄い爆発音がした
中からは煙が出てきている
…そんな中、まず一人
正面から走って出てきた
正面付近を囲っていた一番隊の隊士達は
桂が出てきたのかと思い
正面に集まる
「げほっげほっ…おい!!
中は煙で何も見えねぇから外で捕まえろ!
ヤツはぜってェどっかから外に出るはずだ」
出てきたのは土方さん
…しかし
沖田さんは疑り深いらしい
「おーいテメェらー
こいつァ土方さんに化けた桂かもしれねェ
…やっちまいな」
「「「「はっ!!!」」」」
ガシャンガシャンガシャン
隊士達は武器を構えた
「なんでそうなるんだァァァアア」
ドカァンッ
真っ黒焦げになったのは…
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