僕っ子少女のトリップ物語
□音が二つ〜不思議な夢と街〜
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意識が晴れる。
見渡すと真っ白な空間。
ここってあれか、僕の精神世界的なあれか。
じっと前を見ると、僕にそっくりな少女と…小さい男の子?
両方とも見覚えがある。
楽しそうに話していた。
2人ともこっちに気づいた様で、手を振っている。
とにかく行ってみよう。
「…よ」
「こんばんは」
軽い挨拶だけ交わして、近くに座る。
全身真っ白で僕にそっくりな少女はココロ。
5年前から僕の心の中にいた。
人格みたいなもので、夢の中にもちょくちょく出てくる。
起きてる時は僕が1人の時しか僕と会話しない。
「…」
実際僕が気になっているのはココロとさっきまで話していた男の子だ。
何度も何度も僕がゲームで使っていて、大好きなキャラだった『あの』キャラだ。
頭から生えているであろうプロペラ。
ちっちゃい体。
どの部分も見覚えがある。
「ねぇ、どうして…」
ここにいるの、そう紡ごうとしたところで夢は終わった。
眼が覚めると、とても眩しい太陽の光と、柔らかな風に包まれた。