長編小説
□四季神様
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【序】
ある日、神様は言った。
―季節など、変えなくてもよからぬか?
神様はとてもお疲れだったのです。
―そうか。人に代わってもらえばよいのか。
面白いことに稀に人には神様に近い力を持った者が生まれる。
―その者に印を与え、区別すればよい。
―さすれば勝手に人の世で四季は巡る。
神様のいたずらに巻き込まれた者たち。
四季神様と呼ばれ、一生その地を離れることを許されなくなった囚われの身。
その呪われた名を受け継ぎ、崇め奉られる。
―よいよい。神様の血を持って生まれるなら、少しくらい神様の仕事をするのが筋だろう。
神様の犠牲は常に4人。
春の神様。
夏の神様。
秋の神様。
冬の神様。
4人いれば十分と神様は与えるのだ。
四季を巡らせる御力を。