第二編

□後宮の秘密
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「王太后媽媽、今朝もお変わりありませんでしょうか」

「そなたが内臣佐平の養女か。なかなか凛とした表情をしておるな」

「有り難き幸せに存じます」

「王后を大切にするのだぞ?張氏は恐ろしい部分があるからな」

ーーーーー

「あ〜、疲れた…。王后媽媽に王太后媽媽にと、朝から挨拶するのしんどい…」

「これから毎日ですよ。頑張ってください」

淑儀も韓尚宮もへとへとになっていた時、

「淑儀媽媽?」

「公主媽媽!」

「媽媽、今日もお早いですね!母上様と王后媽媽にご挨拶に?」

「えぇ。ですが初めてで、もうすっかりへとへとです…」

「あははっ、私もですよ?最初は母上様だけで良かったのに、王后媽媽も増えて、それはそれは…」

「ですよね…」

「あの、突然ですが今からお時間頂けますか?」

「えぇ、構いませんが…?」

「では媽媽、私とお茶しましょうよ!」

「それは良いですね!」

ーーーーー

「今、淑儀は何をしている?」

「公主媽媽とお茶をなさっているとの事にございます」

「そうか…なら、終わり次第余の所へ連れて来るが良い」

「はい、於羅瑕」

ーーーーー

「淑儀媽媽、この菊花茶どうですか?」

「とても美味しい!こんなの初めて!」

「それは良かった!媽媽のお口に合って」

「宮中ではこの様なお茶を飲むことが出来るんですね…!」

「えぇ。ところで…淑儀媽媽は後宮の秘密をご存知で?」

「後宮の秘密?」

「はい。それは知っておいた方が身の為です」

「そうですか…。ところでそれはどんなものですか?」

「それは、於羅瑕と私の母上様である王太后媽媽と、王后媽媽の家のことです」

「それが後宮と関係があるのですか?」

「えぇ、勿論。母上様は崔氏で、王后媽媽は張氏ですよね?元々、崔氏と張氏はとても仲が悪いんです。王后媽媽が入内なさるまでは」

「どういうことですか?」

「王后媽媽の父・張 文寧殿が母上様を説得なさってやっと張氏から王后を出すことが出来た。でも、母上様は内心では、張氏のことを良いとは思っていらっしゃらない。それにより、今の後宮では、母上様側の女官と王后媽媽側の女官が静かに睨み合っているのです、表には出せないから。ですが…それも後何日続くやら…」

「え?」

「いずれ必ず、後宮では壮絶な争いが始まります。そしてそれは淑儀媽媽にも影響が…」

「それは承知していました」

「私は、淑儀媽媽の味方です!王后媽媽は、後宮を蔑ろにしています。それは、見逃すわけにはいきません。私はきっと、媽媽ならこの後宮の秩序を正して下さると信じています」

「私はそれを使命としてこの後宮に来ました。必ずや、成し遂げてみせます!」
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