第四編
□避けられない戦い
1ページ/2ページ
国境には既に景明皇国の大軍が黎明王国の飛び地を取り囲んで、あっという間に制圧してしまった
「於羅瑕、ご決断を…!こればかりは、避けることが出来ません!!」
「分かった…直ちに清凛帝国に援軍要請を」
「御意、ですが大使には誰を向かわせましょうか…」
「王后を行かせるべきだが…あの者は上手くやれるとは思えん…」
「於羅瑕!」
「瑛嬪ではないか」
「私が参ります」
「何…?」
「私が女帝陛下にお会いし、必ずや援軍を連れて戻ります!」
「それが出来ると申すか?」
「はい!」
「自信はあるのだな?」
「大いにございます」
「ならば、副使と共に清凛帝国へ向かえ。時間は無い、急ぐのだ」
「はい!」
悠和は副使として臨時に任命された高級官人と共に、清凛帝国へと渡った
ーーーーー
「何、黎明王国から援軍要請の為に大使が来たと?」
「はい、陛下。ですが、その大使は、黎明国王の側室なのです…」
「何故、側室を送ってきたのです…?」
「陛下、大使が参りました」
「通しなさい」
「女帝陛下、拝謁致します」
「面をあげよ、此度は援軍要請に参ったと聞いておる」
「はい、我が国の状況は逼迫しております。ですから、この偉大なる清凛帝国の軍をお貸し頂けないでしょうか?」
「そなたは、清凛帝国・黎明王国・景明皇国の歴史を知っておるか?」
「はい」
「ほほぅ…どのようなものか、簡単に説明してみせよ」