人生というものは
□“あの時間”からの逃避
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はぁぁぁ…
もう6時間目か…
今日は何時に帰らせてもらえるのだろうか…
キーンコーンカーンコーン♪
ふぁぁあいあいあ
私は大きなあくびをするとゆっくりと立ち上がった。
起立、気をつけ、礼!
係の無駄に元気な号令が教室に響く。
ろくに挨拶もせずに席から離れ、廊下に出る
あの時間が始まる前に少しでも目を覚ましておこう。
水道の水は夏の暑さのお陰で生温いが眠気を覚ますには充分だ。
顔をじゃぶじゃぶと洗い、ため息をつく。
「……はぁ」
「…へぇ……」
背後から聞きたくもない声が聞こえてきた。
「自分からそういう事するようになったんだ」
彼女はにやりと笑った。
また
またあの時間が始まるのだろうか