人生というものは

□“あの時間”からの逃避2
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「爛火?大丈夫?もう8時よ」

ん?

突然頭の上から降ってきた母の声にビックリしながら壁にかけてある時計に目をやるとぴったりと長い針が12を指し、短い針が8を指していた。



やばっ



どうやら眠ったまま時間が過ぎていたらしい。


塾に行くには30分はかかる。
そして宿題提出やなんやかんやあって塾に到着してから30分は必要となる。

つまり、1時間は必要となるわけだ。




「お母さんごめん今支度するから」

「なるべく早くね
今から支度すればなんとか間に合うと思うわ」

「うん」

急いで宿題をカバンに詰め、髪を溶かし、自転車の鍵を机の引出しから出す。



「じゃあ行ってくるね
夕御飯は帰ってから食べるから、ラップしといて
お母さん先寝てていいから」

「分かったわ
気をつけて行ってきてね」

「んじゃ、行ってきます」


にっこりと作り笑顔を見せるとお母さんは安心したように見送ってくれた。




急いで自転車にまたがり、こぎ始める。



間に合うかな…
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