夢小説

□補助監督入りした夢主と新田ちゃんorいじちさん
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「それ以上身の丈以上のことを望めば、死ぬよ?」
五条から半笑い気味で呪術師から補助監督になるよう勧められたとき内心は悔しさに満ち溢れていた。呪力を練るのも非術師を救いたいのも山々だったけど私は道を断念することになった。
あんなはっきり言うなよ五条。
いくら鋼のメンタルの私だって落ち込むっつーの。五条悟は卒業してから後輩を育てることは知っていた。
憧れというものはやけに大きく見えて。補助監督になったあとも満足のいく働きは出来ず、今日も呪術師が牽引する場所で呪術師を見守る。なんてかっこいいんだろうと。

「またここに来てたんすか
「補助監督は戦闘禁止ですよ
「自分の身も自分で守れない 私がもひ呪詛師で攻める側だったら真っ先に非戦闘員から狙いますよ」
「ハハッ呪術界撲滅運動!いいっすね

新田ちゃんも今の五条悟ワンマンプレイには疲れていたようで、面白いほど会話が弾む。人に見られていることで少しはやる気が出た私はいつもの事務作業に戻ろうとした。すると。
「今日の夜飲みに行きません?」
太陽のように温かい笑みで囁かれた。

新田ちゃんとは弟の話をした。
どちらも弟を持つ身だから。
「でガキの頃はハリ倒せるけど成長して力が強くなると手がつけられなくなっちゃうんすよね」
「ははは、わかるわかる、男ばっかの家に生まれたら性格も男っぽくなりますよね」
「私も何回お姉さんじゃなく、お兄ちゃんになりたいと思ったか」
注文は進み、ご飯を食べてお酒を少量飲み干してひと段落付くと真面目な話もしたくなってくる、私は新田ちゃんにこう切り出した

「ねえ新田ちゃんは呪術師希望だったの?」
「あー呪術は縁がなかったんすよね、弟の方が適任で。しかも呪術師には珍しく貴重な回復役っすよ!少ないぶん便利っすよね!一年たった一人みたいなんす」
「そっかー頑張ってほしいね
東京は一年が三人もいるのに、一人はつらいね
「三年がサポートしてるっすから」
「確かに京都の子達は年齢層関係なく仲良いもんね」
酒も進み、互いに仕事の愚痴を言うスイッチが入った。新田ちゃんは頼りにならない新米に、私は。
「五条みたいに才能があるやつはいいよね〜あーそういうところが嫌い

世の中には天才がいるよね、私もそれになりたかった。憧れていた。でも私が出来たことといえば
理不尽だ。努力が水の泡になることもある、自分にできないことをやれって言うけどねそれが全くない人間だって居るんだよ。私は淘汰されていく。だから逃げた。逃げるしか、なかった。知らぬ間にか負け癖がついていてしまったのだ。そしてそれをつけられたのは相手の女に否定されたからであった。

どうせ腹の底では何故弱いのかわかってないんだよ、特別な人はいいよね
「幸せな人が後ろ指刺されて笑われたらそれで満足だっての!弱者の分まで抱えて生きろ!」
そこまで言って新田の顔が真剣になるのがわかった。失言だったな今のは。たじろいで「ごめん、幸せな人=努力をしてないなんて決めつけもいけないよね ただ吐き出したかった、自分の心のうちを」
変な空気になる。新田の口からはしかし次に予想もしなかった言葉だった。
、名前さんは五条悟のタメの夏油傑がなぜ呪詛師になったか知ってるっすか
「非術師を皆殺しにした人殺しでしょう
気でも狂ったんじゃないの
ズズズ、とジュースを吸う音。鉄板の上でもんじゃ焼きが出来上がっていく。

「最初はそう思うっすよね、真面目だった彼がなんでって 五条さん悩んでたらしいですよ、善悪の判断は彼に委ねてたらしいすから
「なんか同級生っていうより先生と生徒みたい
意外だった。素行が悪く性格も悪くて思ったことをズバズバいうタイプの五条が。たった一人の親友のために悔やむような、人間らしい一面を見せるなど。
「私、五条と話してみるよ」


「五条、親友が離反したってアンタが原因?
はは、鋭いとこ突くね
自分の素行の悪さは理解していた。最初はなんで俺の一人称を変えさせたり、おせっかいなことするんだと思ったが全部俺を真人間に矯正するためだったのかもなぁ。夏油を慕うようになっていった。それでもダメなんだ、
俺だけ強くても。
夏油は君に私がなれるならと呟いて消えたあの日のことを思い出す。夢に出てくる。後悔している。だが自分に何が足りなかったかは遅すぎた。
「あのさ、名前の気持ちも考えずに弱いから呪術師辞めななんて言って悪かったよ」
でも五条なりに考えてるはずッス


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