夢小説

□日車寛見
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日本は一度ミスをした人に厳しい。特にネットでは鬱憤を晴らすかのように人が人をバッシングする。世間では社会的に加害者として扱われ社会的には死ぬ。どんなにろくでもない人間でも人権は存在する。
人が人を罪人だと決め付けたところで解決などしない。理解できない人はいるのだから決め付けるなど出来っこない。人は法によってはじめて裁かれる。
そんな、誰もが味方をしない人たちの心に寄り添っていたかった。なのにふとこの道で良かったのかと思う時があった。


弱者の心に寄り添う。どんなに世間から非難されようと壊れた人の心は修繕できないと思いたくなかった。
周りを見てみろ。淡々と仕事をこなす人々、俺のように子供らしい心を持ってなどいない。もっと人の悪事に鈍感な人間がやるべきだったと思う。

壊してしまうのは殺人と変わりない。だから誰かがやらないといけないことに変わりはないのだが。

自分の神経が摩耗しているというがむしろ摩耗されていたかった。そんなとき依頼が来た。
「今日からこの少年院に入ることに
まだ子供じゃないか


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