夢車両

□やっぱり優しいね
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1年以上付き合った私とユースケ

ユースケは仲良い女の子の友達もファンも沢山いるし

こんな暗くて可愛くない私なんてそのうちフラれると思ってた

『今日、いつものカフェに来て』とLINE

あぁ、きっとフラれるんだろうなぁ

カフェについて店内を見渡すとユースケはド真ん中の照明に照らされた明るい席にいた

どうせフるなら目立たない場所にしてよ

「こっちだよー!」

近づく私にユースケは大きく手をふった

席につくとメニューを渡され

私はいつもと同じものを頼んだ

「こんな時でも変えないんだ?」

なんてユースケが笑う

フラれるならユースケに対していつもの私のままフラれたい

ユースケが店員を呼んだ

ユースケが私の代わりに注文してくれる

最後まで優しい

「察してると思うけど、今日は大事な話があるんだ」

あぁ、やっぱり。

「いつ言うか迷ってたんだけど」

「僕も腹をくくったよ」

私もフラれる覚悟は出来てる

ユースケが私の手をとった

なんで手をとるの

なんで微笑んでるの

「僕と結婚してください」

自分の予想と違い驚く私を置いてユースケは続ける

「最初は同情だった。」

「でも君といるうち君の笑顔や君の文字、君の何気ない話に心がときめいた」

「小さなときめきが沢山たまって好きになった」

「付き合って、君に微笑んでもらうたび心が暖かくなった」

「付き合って半年、好きがたまって愛してるになった」

「付き合って一年、愛してるがたまって護りたいになった」

「きっとこれからも僕は君が好きで愛してると誓うから」

「だから結婚してください」

ユースケは手を離した

私はすぐにLINEを開いた

ユースケのスマホから聞こえるLINEの通知音

『私でいいの?』
『ユースケに余計な負担かけたくない』

ユースケは顔をしかめた

「あのねぇ……負担なんてなるわけないでしょ!大切なもの護るためならいくら苦労したって平気だよ」

ユースケが頭を撫でる

再び聞こえるLINEの通知音

『ユースケにはもっといい女の子がいるよ』
『私なんかダメ』

プロポーズしたのに返事がこれではユースケだって辛いはず

でも紛れも無い、私の本心だ

ユースケが私の顔を挟んで辛そうに笑う

「平気だよ、僕は君が好きなんだから」

「たとえ声が出なくても」

ユースケは私を抱き締めて私はスマホを置いた

「僕と結婚してくれる?」

私は頷くことしか出来ないけど
それでもユースケは幸せそうに笑った

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