私が散りゆくその時は〜IX〜

□act1 彼らとの出会い
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「いやいやいやいや、フフ、嘘でしょ…???」



これどう見ても狩猟祭で高得点入るあのザグナルちゃんでしょ??
現実味が無さすぎて笑えてきた。

でも立ってる足に自分の体の重み感じるし、枝を握る手には木のゴツゴツした感触があって少し痛い。
だからこれは夢じゃない。


じゃあやっぱり幻覚???



「いや、それは絶対違う!…と、信じたい!!」



とりあえずここをどう切り抜けるか考える。

ザグナルって確か突進してくるよね。



「…一か八か…。死にませんよう、にっ!!」



ザグナルの真正面に向かって走る。
ザグナルは私を迎え撃つ為に突進してくる。
私は攻撃を躱して咄嗟に左に曲がる。
そしてそのまま草むらに身を隠した。



「…大丈夫、っぽいね。」



猪は突進すると急には曲がれないと言う話を聞いたことがあった。
だから、ザグナルにも同じ事が言えるのでは無いかと思ったが、どうやらビンゴだったらしい。

そして非常にラッキーなことに隠れた先の近くに宝箱があった。

中を開けばそこには、一本の刀とポーションらしきものがひとつ。
まるで仕組まれてるかのようだがこの際気にしない。
運が良かったのだと思い、そそくさと刀を腰に着ける。

着け方はイマイチうろ覚えではあるが、なんとか外れないようにガッチリとベルトに巻き付けた。



「剣道と居合少しやっといて正解だった…。」



こんな所で役に立つなんて誰が思うだろうか。
そもそもこんな所に飛ばされた(?)こと事態がイレギュラーではあるが。



ザグナルは意外に、鼻が良いわけではないらしく、向こう側に私がいないか必死に探していた。
しかし、徐々にこちらに来ている為、少し移動しようとした、その瞬間。



パキッ。



枝の折れたような乾いた音が静かな森に響く。
私は足の裏に違和感を感じ、足元に目を向けると、バッキリと木の枝が折れているではないか。

まあでも、ザグナルに見つかってさえいなければ大丈夫だよね!!
と、ザグナルがいる場所を見ると、完全に戦闘モードに入っていた。



______見つかった___。
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